目次
1 歴史の常識(江戸図の中の大木戸―ランドマークの描かれ方;これぞ本当の“骨肉”の争い―天皇の土葬回帰と「死ぬ天皇」の復活;「与力」と「家臣」 ほか)
2 こだわりの史実(明智光秀の「名字授与」と家格秩序に関する小論;江戸時代中期、摂北地域の茶の湯にもたらした公家家領の影響;大坂の陣と文禄堤 ほか)
3 史料と向き合う(南宮山からの撤退戦についての毛利秀元発給の感状;「正慶四年」と称名寺湛睿;素眼筆蹟影写本『新札往来』とその原本切 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niwanoagata
14
内容は面白いんだが…執筆者が多過ぎる様に思う。つまり一人ひとりの分量が少ない。もちろん色んな人の論考が読めるというのはあるのだが、それぞれの書く内容が統一されておらず、バラバラのため、比較するものでは無いので、その意味は半減かなと。あと表紙が謎すぎる…… 批判じみた感じになりましたが、一つ一つの論考は面白いので是非。2020/06/14
さとまる
5
27人の歴史研究者が自分の論じたいことを自由に書いているシリーズの3冊目。なので全体的なまとまりはなくとっちらかってはいるのだが、それがまた狭い雑然とした古本屋で掘り出し物を探しているようで面白い。個人的にはその言葉遣いが普段の言葉遣いだという細川先生のヤクザ的御家人解釈が面白かった。2021/11/22
六点
5
さて「研究者のこだわり」を集めたこのシリーズの既刊分を全て読み終わった。しかし、このこだわりっぷりたるや、日本史数寄の無知を思い知らせられる思いに満ち充ちたシリーズであった。「関ヶ原で不戦のまま南宮山から撤退する毛利軍」は追い縋る東軍の追撃を退けて退却に成功し、感状を出していたり、太田道灌の俗名ははっきりしないとか、「何も知らないんだなあ」と独り言ちてしまうことしきりであった。近世大名細川家の成立ですら、江戸期の家記系譜に頼ったまま、最近まで来たわけである。日本史の、文系の学問はまだまだ沃野があるのだ。2018/11/26
眉毛ごもら
3
再読。既刊に比べて皆さん書き方が柔らかなのでよみやすい。中世武家と仏教関係が多い。普通の本を読んでいたらあまり接点がないようなことが多く、史料についてはちんぷんかんぷんなので考え方も参考になる。役に立つかそういうことは考えないシリーズということで各人のこだわりが詰め込んである宝箱だと思う。今回はお地蔵様の救済がものすごいのが面白かった。そこまでして救わなくとも…と思われるのにお慈悲がすごい。有難いが、厳しくてもいいと思う。あと、表紙が、表紙のインパクトがものすごい。中身との落差がいい味出してると思う。2020/04/07
こまさん
3
表紙をどうにかしてほしい2018/12/30