内容説明
小野梓は明治初期、日本社会の大きな変動過程の現実と向き合い、思索し、全力で実践した。政治・社会・教育・文化と、直面した現実が、今と大きく相違しているのはいうまでもないが、ある意味で、現在にも通じる課題が多く含まれている。小野梓が息を引き取って130年、今、あらためて日本のゆくえが問われている。
目次
1 宿毛から世界へ(生い立ちと父の遺志;宿毛から世界へ;日本から世界へ)
2 日本社会の変革をめざして(「共存」の思想と実践―在野活動の展開;少壮官僚としての活動―“上”からの近代化)
3 在野活動の全面展開(政治―「改進」の実現を求めて;教育―「学問の独立」の追求;出版―良書普及のために)
4 難局に直面して(「不吉の年」一八八四年;「危急の秋」一八八五年)
5 人と思想(生活者としての小野梓;教養・教育の構想―人をつくる;民法の構想―社会をつくる;憲法の構想―国をつくる;対外構想―世界のなかで)
6 “小野梓”は生きている(死―「花」を見ぬままに;「学問の独立」のその後;新しい時代のなかで)
著者等紹介
大日方純夫[オビナタスミオ]
1950年長野県生まれ。1973年早稲田大学第一文学部卒業。1978年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。1978~82年早稲田大学大学史編集所嘱託として『小野梓全集』全5巻の編集実務に従事。現在、早稲田大学教授(文学学術院)。専門は日本近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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