内容説明
本書は1997年ドイツのイエナ大学で行われた「第1回フルトヴェングラー・ターゲ」の講演録の全訳である。フルトヴェングラーをたんに指揮者としてだけではなく、作曲家、思想家としての面にも光を当てようとするこの学会は、エリーザベト・フルトヴェングラー夫人らフルトヴェングラー・ファミリーも列席し、戦後のフルトヴェングラー研究において画期的な業績を残すものだった。ヨアヒム・マッツナー、ヴェルナー・テーリヒェン、アレクサンダー・アルブレヒトら、重要な関係者や研究者による証言と提言は全て初出のものばかりで、我が国の研究者・音楽愛好家にも必読である。
目次
フルトヴェングラーとテンポ
フルトヴェングラーに見る、演奏の魅力と誠実
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーとイギリス
フルトヴェングラーの作曲家としての自己理解
作曲家としてのヴィルヘルム・フルトヴェングラー芸術家のエトス
世紀末の一人の指揮者が見たヴィルヘルム・フルトヴェングラー
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーと彼の手記(1924‐1954)の意義
プフィッツナーとフルトヴェングラー
シンポジウムでの討論
ヴィルヘルム・フルトヴェングラーとエルネスト・アンセルメ二人の意見の一致について
著者等紹介
野口剛夫[ノグチタケオ]
1964年、東京生まれ。中央大学大学院(哲学)、桐朋学園大学研究科(音楽学)を修了。作曲を別宮貞雄に師事。昭和音楽大学講師を経て、現在、東京フルトヴェングラー研究会代表、同管弦楽団指揮者。2014年、『新潮45』(2013年11月号)掲載の論説「“全聾の天才作曲家”佐村河内守は本物か」により、第20回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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