内容説明
高い理想をかかげ、そのギャップと闘いながら誰よりも人間らしく生きようとしたベートーヴェン。混迷を極めるいま、彼の遺した言葉の数々に改めてスポットライトを当てる。
目次
1777~1801
1802~1811
ベッティーナ・ブレンターノの回想によるベートーヴェンの言葉
1812~1818
ベートーヴェンとゲーテの違い
1819~1827
ベートーヴェンは怒っている
著者等紹介
野口剛夫[ノグチタケオ]
1964年東京生まれ。中央大学大学院(哲学)、桐朋学園大学研究科(音楽学)を修了。作曲理論を別宮貞雄に師事。月刊『音楽の世界』編集長、昭和音楽大学講師を経て、東京フルトヴェングラー研究会代表。フルトヴェングラー研究を軸とした著述、翻訳、講演、指揮、作編曲などの活動は、国内外の多くの放送、新聞、雑誌で紹介される。2014年、月刊『新潮45』2013年11月号掲載の論説「“全聾の天才作曲家”佐村河内守は本物か」が、第20回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
72
書簡、会話帳、日記の記録や、同時代人の述懐から選んだベートーヴェンの言葉の箴言集。年代順に整理された言葉を辿りながら、当時の作品のことなどを思い浮かべる楽しみはあるが、採用された言葉に「このように運命は扉を叩く」とか「シューベルトの中には神の火花が宿っている」というようなシントラーのものも交じっており、素材の信用性に大いに疑問がある。また、コロナで自粛する音楽家を厳しく非難する著者のコラムのタイトルを書名にしているのは全く納得できない。そもそも、ベートーヴェンを「怒り」として受容する考えに私は与しない。2021/03/07