内容説明
『七人の侍』のロケ地はここだ!―今、明らかにされる『七人の侍』の撮影現場。黒澤明生誕百十年、三船敏郎生誕百年記念出版。撮影スナップに写る風景や当時の航空写真、さらには現地調査による関係者の証言等から、謎のロケ地を完全特定。東宝秘蔵の“未公開”スチール大量掲載。二木てるみ・加藤茂雄、安藤精八…出演者とスタッフが語る撮影現場の真実。
目次
序章 『七人の侍』という映画
第1章 “七人の侍”が守る村は、五箇所で撮られた―これまでの論説のまとめ
第2章 世田谷大蔵こそ侍の守るべき村、そして侍探しの町が作られた地
第3章 伊豆堀切他のロケ地の秘密を解く
第4章 下丹那のロケ地を訪ねる―六十数年の時を経て、出演エキストラの方々の声を聞く
第5章 御殿場は黒澤映画の聖地?
第6章 御殿場では、あの黒澤映画も―『椿三十郎』『隠し砦の三悪人』の撮影現場
第7章 クランクインとクランクアップの撮影現場は、意外なところに…
最終章 『七人の侍』は成城メイドの映画
著者等紹介
高田雅彦[タカダマサヒコ]
昭和30(1955)年1月、山形市生まれ。実家が東宝の封切館「山形宝塚劇場」の株主だったことから、幼少時より東宝映画に親しむ。成城学園に勤務しながら、東宝映画研究をライフワークとする。現在は、成城近辺の「ロケ地巡りツアー」講師と映画講座、映画文筆を中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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パトラッシュ
40
ウィーンの観覧車、チュニジアの穴居ホテル、マンハッタンの裁判所前など旅行で訪れた名画のロケ地は思い出深い。一方、日本では有名な映画の撮影場所はほとんど知られておらず、黒澤明監督作品ですらはっきりしていない。著者が『七人の侍』がどこで撮影されたのか、わずかな資料や証言をもとに東奔西走し突き止めていく姿は有罪の証拠を掴もうと必死の刑事そのもの。映画に無関心な人なら「何をやってるんだ」と呆れるだろうが、映画好きにはたまらなく面白い話ばかりだ。エキストラ出演した地元住民を探すなど、制作秘話としてもワクワクの本だ。2020/12/05
yyrn
24
芸術は製作者のこだわりの塊だ(と思う)。その芸術(映画)にほれ込むと、この本の著者のようにロケ地を探し回りたくなるのだろうか(うん、少しわかるw)。それが68年前の作品だとしても世界的名声を得た映画だから強い関心を持つ人は今も多いだろうし、旬にこだわる必要もないから、こういう本も出版されるのだろう。ファンには裏話が実に楽しく、一度映画を見直してから読むと、より一層映画製作の醍醐味が楽しめる本だ。▼集落を背景に農民らが木橋に向かって歩いて来るシーンと、場面が切替り、その木橋を渡って水車小屋に向かうシーンに⇒2023/05/23
まんだよつお
10
黒澤明『七人の侍』のロケ地5か所を訪ねて当時を知る人の話を聞き、スチール写真やスナップ写真、国土地理院の地図や登山者用地図ソフトなどを駆使して、どのシーン、どのカットがどこで撮影されたのかを比定していく。その結果、編集のマジックで違う場所で撮られたシーンがつなぎ合わされ、あたかも同一の場所で撮られたように仕上がっていることが判明する。本作を象徴する七人がそろって村を見下ろすショットの撮影地が、実は平坦な草地だったことなど、ピンポイントで特定できた事例も重要だ。ヒマ人と言うなかれ、これぞ映画バカ一代。2020/08/03
たこらった
3
好きなものを語るのは難しい。自分語りになってしまうことも間々ある。他人の話を聞き、実直に調べ、正確を期すこと。書き手の熱がじわっとくる。大部屋=「Bホーム」の加藤茂雄、子役で出演していた二木てるみへのインタヴューがいい。エキストラ出演していた下丹那の人たち(村の子供)への聞き取りがいい。野武士が駆け下りてくる斜面は集落の茅刈り場であったが、誰かに売られてしまった。三船のMG-TD。野口氏の消息は不明。鮎壺の滝の上部には樹木が生い茂り流れも変わった。最終章の「成城石井はパパのお陰よ」話、“誠にごもっとも”。2024/12/11
tkm66
2
しょっちゅうバスで通る所が、あの水車小屋だった!2020/07/30
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