内容説明
11人の作曲家たちの、ゴジラとの格闘の歴史。音楽に着目したゴジラ映画通史。最新作『シン・ゴジラ』までの全作品ガイド&映画音楽論。
目次
第1章 ゴジラ映画音楽の産声
第2章 伊福部ゴジラ映画音楽の光彩
第3章 二大巨匠の手にゆだねられたゴジラ映画音楽
第4章 一九七〇年代の芳香が漂うゴジラ映画音楽
第5章 新時代ゴジラ映画音楽の黎明
第6章 平成ゴジラ映画音楽のとどろき
第7章 ゴジラ映画音楽、二〇〇〇年代の相貌
第8章 『シン・ゴジラ』のゴジラを呼び覚ます響き
著者等紹介
小林淳[コバヤシアツシ]
映画・映画音楽評論家。1958(昭和33)年、東京生まれ。日本映画・外国映画、映画音楽にかかわる文筆・評論活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
22
第1作から「シン・ゴジラ」まで、1作ずつ音楽の解説をしている。ゴジラと言えば伊福部昭だと思っている私は、伊福部昭の曲を聴きながら読み進んだ。伊福部昭以外の音楽にも丁寧な解説で、もう一度、全部のゴジラ映画を見直してみたくなる。最新作「シン・ゴジラ」では、伊福部昭と鷺巣詩郎の曲が、この映画のテーマである「現実対虚構」としてとらえているところが面白い。2016/11/24
たか厨
11
1954年の第一作から、今年2016年の最新作『シン・ゴジラ』までの62年間に29本作られた日本製ゴジラ映画の音楽を、各作品ごとに解説・評論した労作。11人の作曲家たちが、いかにゴジラ映画に取り組んだかの作家論にもなっている。全作を観ている私としては正直「この音楽は、どうよ?」という作品もあるのだが、そんな音楽でも筆者は基本的に「よかった探し」をして救済している。言外にチクリと刺している部分もなきにしもあらずだが。伊福部昭という屹立する巨人に、他の10人がどう戦いを挑んだかの記録の書と捉えるのも面白いかも2016/10/02
たいそ
6
ゴジラ映画好きだと思っていたが、実は1/3ぐらいは観ていなかったことに気づかされた。「シン・ゴジラ」での伊福部氏のオリジナル・サントラのモノラル音源には感動したし、本書も「伊福部昭で始まり、伊福部昭で終わる」と、うまいことまとまったけれど、ミレニアム・シリーズ(これらは一本も観たことない)での新しい、今までにないゴジラ映画音楽への挑戦は、引き戻されてしまったということになるのだろうか。そうであれば、本書で高評価の大島ミチル氏の手がけた作品は観てみたいと思った。 「無意識のうちに伊福部昭の作風と比べている」2017/01/06
TERRY
3
なんだか「ゴジラ2000」って黒歴史っぽいです。筆者も褒めるのに苦労しています。2016/10/29
Toshiyuki Marumo
1
最近観た『ゴジラ−1.0』がとても面白かったので、過去のゴジラ作品の概要を知りたくなり入手。好書だった。第1作の『ゴジラ』から29作目の『シン・ゴジラ』まで、各作品の公開日、動員数、スタッフ、キャストの等の基本的データはもちろん、各作品のあらすじ、音楽の詳細を分かりやすい文章で紹介。また、日本映画最盛期から衰退期に至る過程や時代の雰囲気まで記載されていて興味深い。僕のようなにわかゴジラファンにとっては非常にありがたい入門書だった。2023/11/15