出版社内容情報
◆◆AIエージェントと共存、協働していくための必読本◆◆
プログラミングの終わりと新しいエンジニアリングの始まりと言える今、「人類と協働する機械」、AIエージェントをどう捉えて共存していくかを問います。
本書で扱う核心的問いとして次の3つが挙げられます。
「AIによって仕事は奪われるのか」
「AI時代の生産性をどう考えるべきか」
「AI時代に何を作ることが価値になるのか」
前著『エンジニアリング組織論への招待』がブクログ・ビジネス書大賞、翔泳社技術書大賞を受賞した著者と共に本書を通じてAIエージェントの今後を見通します。
■対象読者
本書では次のような方々を主な対象読者として想定しています。
(1) AIを日常業務に活用しているが、「便利さ」以上の成果を実感できていないエンジニア
(2) AIによる生産性向上や組織変革の可能性と課題を理解したいエンジニア/マネージャー
(3) 「AI疲れ」を感じつつも、より良い使い方や未来志向の視点を模索しているエンジニア
(4) これからの社会における“正しいAIとの付き合い方”にヒントを得たいエンジニア
■本書「まえがき」より
「プログラミングは手段である」。この言葉を聞くたびに私の中でモヤモヤとした感情が湧き上がります。なぜなら、私たちエンジニアはその「手段」と呼ばれるものにとことんこだわってきたからです。
それに集中し、肯定してきたからこそ、何か価値あるものを生み出せると信じてきました。コードへの純粋な愛情と探求心こそが、イノベーションの源泉だったのです。
しかし今、AIエージェントの登場により、プログラミングがより純粋に「手段」として機能する時代が到来しています。この変革は、私たちのアイデンティティを根底から揺さぶります。同時に、凄まじい革命によって仕事が劇的に効率化され、創造性がかつてない形で解放される可能性も秘めています。この不安と期待が混在する感覚は、まさに歴史の転換点に立つ者だけが味わう特別な経験なのかもしれません。
私たちは今、どのような姿勢で大きな変化に臨むべきか。
これまでの成功体験をいかにアンラーニングし、新たなクリエイティビティの在り方を見出すか。そして、どのような価値創造が求められるのか。来るべきAIエージェント社会について考えていきたいと思います。
本書を読んで皆様が、プログラミングへの愛と不安両方を抱きながら、AIエージェント時代を切り開いていくこと願っています。
(本書まえがきより抜粋・編集)
【目次】
序章 プログラミングの終わりと新しいエンジニアリングの始まり
第1部 AIエージェントの登場をどう捉えるか
第1章 AIエージェントは世界を食べ尽くす
第2章 コーディングエージェントとバイブコーディング
第3章 私たちの仕事が奪われるのか
第4章 仕事の二極化とジョブレス・リカバリー
第5章 日本特有の課題と機会
第2部 人と半導体の新しい組織論
第6章 文字の発明とソフトウェア
第7章 人と半導体の価値転換
第8章 意思決定の高密度化とAI疲れ
第9章 正しさの転換とAI活用の5段階
第3部 知識創造というソフトウェアの新大陸
第10章 拡張を続けるシステム領域
第11章 SECIモデルとAIエージェントの統合
第12章 知識創造エージェントの企業戦略
第4部 AIと協働する未来を生き抜く
第13章 赤の女王と相対優位の原則
第14章 個人のサバイバル戦略
第15章 経営のコミットメントと消える生産性
第16章 両利きの経営とエフェクチュエーション
終章 本能を信じて走り続ける者が未来をつくる