内容説明
ポップで元気すぎる昭和四十年代の世相を背景に、弾ける佐藤愛子。愛子さんのユーモアエッセイのはしりとなった代表作。
目次
一日クレオパトラの記
恋愛ホテルの夜は更けて
パトカー同乗、深夜を行く
ピンク映画ただいま撮影中
誰のための万博か
馬はハンサム、馬券は単勝
こんばんは、ノゾきます
鼻高きが故に幸せならず
“おとなの玩具”で平和を!
お化けなんてこわくない〔ほか〕
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞、昭和54年『幸福の絵』で第十八回女流文学賞、平成12年『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月に春の叙勲で旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
110
懐かしい昭和40年代に愛子さんがあれやこれやと体験する社会探訪記。あとがきにあるが、『ヤケクソ』の勢いだったとのこと。今では無理でしょうと思えるものもあって懐かしく面白く読んだ。ご本人はいたって超真面目に真っ直ぐに探訪するから、可笑しさが増すのだ。昭和かぁ・・もう随分遠くに来ちゃったな。2017/11/24
パフちゃん@かのん変更
33
いつも真っすぐで飾りっ気のない愛子さんが好きだ。おそらく離婚した二番目の亭主の借金の返済に仕事を選ばずに書きまくっていたころのものだと思われる。万博が嫌いとはっきり言っているのに開会式も閉会式も悪口をはっきり言って、安い出演料で、でも駆り出されいらっしゃるのが笑える。2021/08/21
らー
28
昭和は昭和でも、私でもついていけない昭和の世界。50年前なら当たり前か。プライベートではご苦労もあったでしょうに、それを一切感じさせない佐藤先生のヤケクソ魂、強気な生き方、むしろ清々しく、さすがとしか言えません。2023/08/31
toshi
14
「九十歳。何がめでたい」の佐藤愛子が50年前に「文藝春秋」に連載したルポルタージュエッセイ。 日比谷公園でのノゾキとか、パトカー同乗とか今では考えられないような内容があって時代を感じるが、当時より彼女の文章の切れ味と辛口さは変わっていないことを再認識。2017/11/19
まるちゃん
10
1970年の大阪万博。小学生だった私は家族四人で、長蛇の列に並び、アメリカ館、ソ連館へ。月の石。科学の進歩、という言葉が唱えられていた時代。 2025年大阪万博はどんなものか。 愛子さんは、それをどう思うのか。2022/01/22