目次
第1章 いまある自分に感謝する―どれだけ本意で生きてこられたか
第2章 自分を「お年寄り」扱いしない―まわりの年寄りをじっくり観察する
第3章 老化も認知症も哀しいけど正視しなければならない―正視こそ成熟した人間の証
第4章 「善い人」と思われなくてもいい―もう浮世の義理をやめて、自分の物差しで生きる
第5章 家族は棄てられない。友人との関係はソコソコにする―依存「する」のも「される」のもあり
第6章 後始末は早くから始めておかないと難儀する―必要なものはほとんどないし、迷惑は残さない
第7章 死のその時まで学びつづける―自分はどういう使命を帯びてこの世につかわされたのか
第8章 もういいだろうと言って死にたい―自分らしく「よく生きた」と納得して旅立つ
著者等紹介
曽野綾子[ソノアヤコ]
1931年東京生まれ。作家。聖心女子大学文学部英文科卒業。『遠来の客たち』(筑摩書房)が芥川賞候補となり、文壇にデビューする。1979年ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。2003年に文化功労者。1972年から2012年まで、海外邦人宣教者活動援助後援会代表。1995年から2005年まで、日本財団会長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のり
7
どんな運命でも敢然と受け入れる。人に起こりうることは自分にも起こりうる。自分の弱さを自覚してこそ初めて強くなれる。接していて常に楽しい老人であれ。すぐ怒るのは狭量な自分の考えに囚われる幼児性の現れ。身なりに気を遣って自分を律する。許す行為ほど難しいことはない。明日死ぬと決まったとき何をするか。命は一時的に神から貸し出されたもの。2017/10/05
葉
5
2017年2月に著者は夫を失った。家族を深く愛おしむことも幸福のひとつであるという。今ある自分にどれだけ感謝できるかが本意に生きることに結びつく。物以上に存在の大きいものは、自由などの無形の資産だ。自分を年寄り扱いすると学びの範疇が狭まるがわ老人の味をうまく引き出すことも輝くという意味では大事。人は長い目で見なければならない。そして、必ず死ぬ。2017/06/02
Humbaba
2
大切な人と一緒にいる。その時間はとても大切だし、価値のある物である。しかし、そんな相手でも死という避けがたい別れは訪れる。その時に困らないようにするためにも、敢えて一緒に出かけない時間を作る事も重要である。そうして一人で行動すれば、相手のありがたみもまたよく感じられるようになる。2017/07/18
もも吉
0
最近の作品は著書の抜粋集みたいで読み易いもののあまり印象なく読んでいたのですが、これはドキッとする文に何度も出会いました。神の言葉はよくわかりませんが人間の生き方については目から鱗でした。死への行進なんて、、。今の日本の年長者のあり方への警鐘ですが、届いてないですよね。彼女のこれからに関心があります。 2017/08/18
いのごん
0
生涯の中で、人、自然、出来事にどれだけ関わったかが、豊かな人生をはかる。また「安心しない毎日」が認知症を防ぐというのも共感。出来る限り自分でご飯を作る、しっかり生きて人生を全うしようと思いました。2017/06/08
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- 和書
- 恋人たちの記憶 角川文庫