- ホーム
- > 和書
- > コミック
- > マニア
- > ふゆーじょん ポーバックシリーズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyu
51
誰もが自分だけの鬼戸を追い求めるが手に入れられる人は滅多にいない。鬼戸もまた八敷のように本当の自分を見つけてくれる存在を乞うていた。「みんななんとか現実と折り合いをつけて生きていく(島の言葉)」それが出来なかった二人は互いを手に入れた。城は見つけたが中に入ることは叶わなかったのか。だがそれがなんだというのだ。彼らは互いを知ったのだ。切れることのない本当の二人だと知ったのだ。礼文に向かった小さなボートは彼らの夢を追ってどこまでも流れていったに違いない。鬼戸圭輔と八敷翔が幸せでなかったと誰が言えるというのだ。2017/03/15
KEIKO-I
33
これは高三限定と肩を並べる名作。どす黒い、人間の、社会の闇を見せつけられる。気力体力ともに消耗させられるので、何度も読む気にはなれないけれど、きっと何度も反芻させられる磁場がある。高三限定もそうだったれど、正解というものが、本当はないことを梶本作品は教えてくれる。それが、罪だとしても罰するのは正解ではない。BLのカテゴリーの中に置いておくにはもったいない。2016/03/10
しましまこ
27
気力も体力も底をついた。凄かった、読んで下さいとしか...2016/02/28
くさてる
24
あえて、ある特定の層にしか届かない言葉で言う。これはBLではなく、JUNEであると。JUNEの始祖たる中島梓はJUNEを定義して「忌み子とそれを拾ってしまった子供の話だ」という意味のことを言った。これはそういう物語です。2017/05/22
ずっきん
23
久しぶりに漫画で肌が粟立った!容赦ないバイオレンスと、ヘドが出そうな警察と極道ども。鬼戸と八敷も悪辣さにかけてはは一歩もひけを取らない。そんな二人が向かうコオリの城にあるのは破滅なのか、解放なのか。この作品がBLだけで括られるのは勿体ない。男同士のハードな性描写が多いから、受け入れられない方が多いのかな。でも男と女だと成立しない話だよなぁ。深町秋生さんの『地獄の犬たち』の室岡は、絶対にこの作品から生まれたと思う!愛なんて言葉を越えた、壮絶な男たちの物語だった。2018/01/03