内容説明
古代文明で神と崇められ、近世ヨーロッパの飢饉から民衆を救い、三角貿易の奴隷船食用にアフリカで大量栽培され、近代アメリカでの革新的な改良を経て、現代の国際アグリビジネスを勃興させた作物―トウモロコシと人間の歴史物語。
目次
作物としてのトウモロコシにはどのような特徴があるか
トウモロコシの起源地と祖先の探索
先史時代のトウモロコシの発掘と初期の伝播
コロンブス以前のアメリカ大陸における農業とトウモロコシ
コロンブス以降の南北アメリカ大陸におけるトウモロコシ
米国の近代化とトウモロコシ
トウモロコシのヨーロッパおよび周辺地域への伝播
アフリカへの伝播
中国およびその周辺アジア諸国への伝播
トウモロコシの日本への伝来
画期的な多収品種ハイブリッドコーンの開発
遺伝子組換えトウモロコシ
著者等紹介
鵜飼保雄[ウカイヤスオ]
1937年生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。同大助手、農林省放射線育種場室長、農業環境技術研究所室長、東京大学教授(大学院農学生命科学研究科)を経て、現在は執筆に専念。専門は育種学、放射線生物学、統計遺伝学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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渡邊利道
3
作物としての特徴から、起源地の探索と確定、各地の先史時代遺跡の発掘などの記録を経て、コロンブス以前・以後の南米、近代アメリカでのトウモロコシの変化、ヨーロッパ・中国・アジア・アフリカ・日本などへの伝搬、そして現代の品種改良と遺伝子操作まで。興亜hん異な話題が簡潔にまとめられていてわかりやすく面白かった。2018/02/19
あき
0
トウモロコシの生物学的起源をめぐる話から始まって、トウモロコシが世界に普及していく流れを追っていく感じの内容。コロンブス以前から、旧世界へとトウモロコシが伝播していたとは目新しかった。2016/11/14