内容説明
絶頂から奈落へ、優良大企業はなぜ潰れたか!一世を風靡した「絶対潰れない会社」が、倒産、解体へと追い込まれた。一時代を築いた社長たちは、いかに時代と切り結び、どこで道を誤ったのか。成功への道はそれぞれ異なるが、奈落の底に落ちる軌跡は、いつの世も変わらない。巨大倒産9ケースから読み取る“失敗する社長の本質”!
目次
第1章 タカタ―三代目が世界シェア2位企業を潰した
第2章 大昭和製紙―会社を私物化した社長がやりたい放題
第3章 佐世保重工業―再建王が紛骨砕身したドロ沼労使紛争
第4章 ミサワホーム―社長暴走でトヨタに乗っ取られる
第5章 そごう―日本一の百貨店王の栄光と没落
第6章 安宅産業―組織を腐蝕させた創業家の壟断
第7章 セゾングループ―時代をつくり自壊した感性経営
第8章 三光汽船―大バクチに敗れた世界一のタンカー会社
第9章 シャープ―エセ同族経営が招いた天国と地獄
著者等紹介
有森隆[アリモリタカシ]
経済ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済事件などをテーマに取材・執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
11
企業存続の難しさがよくわかる。 経営陣が市場動向を見誤って苦境に陥るのは経済活動の常なので仕方がない面もあるが、創業者一族の権力争いで消え去っていくのは切ない。 とくに家族関係が複雑な西武グループが印象に残った。2023/11/25
紫の煙
9
タカタの三代目はひどい。奇しくも昨日、社長辞任のニュースが出ていた。まだ社長だった?他のケースでも、結果的に会社は倒産したが、一時期は成功し時代の寵児となっていたひともおり、評価は難しい。 2018/04/13
GOTI
5
☆☆☆★「社長争奪」ではパナ、NEC,野村證券など著名企業8社、「社長解任」ではトヨタ、住銀、関電、日産等々これも日本を代表する著名大企業10社の内紛、お家騒動、権力闘争を扱っている。しかしこの18社はいずれも倒産はしていない。本作では「絶対に潰れない会社」タカタ、大昭和製紙、佐世保重工、ミサワホーム、そごう、安宅産業、セゾングループ、三光汽船そしてシャープを無能な経営者が破綻に導いている。情けないなぁ。2018/12/30
kyomi
4
タカタ、シャープ等の同族経営の末路が印象的。その他、オイルショックのような外的要因は大きいが、備えたり見通すことはなかなか難しい。22018/08/20
アーク
4
現在進行形だとタカタやシャープ、ちょっと前だとセゾングループなど経営危機に見舞われて存続の危機に立った会社は数多い。そのトラブルの内情って下手な小説より興味深いな。自身の能力を過信したトップの暴走に内紛、そして 大バクチの失敗など、確かにこれでは経営が上手くはいかないだろうな、と思う。とはいえそれを予見できる人なんてよっぽど業界に精通したかつての経営者かアナリストしかいないだろうけどね。日本を代表する各企業の倒産に何が起こったか、知識として知っておいて損はないな。2017/12/10