内容説明
ブラームスを通して歌う“近代への挽歌”。コロナ禍の逼塞の日々に、にわかに耳を打ったヨハネス・ブラームス(1833‐97)。ベートーヴェン以後、近代ヨーロッパが黄昏を迎える19世紀を生きたこの変奏曲の大家の、ほぼ全作品を「一日一曲」聴き続ける。音楽の主題から、文学・思想・人間・世界・文明へと自在に「変奏」を展開し、現代への批判の視座を見出す、文芸批評の新しいかたち。
目次
第1部 ブラームス・ヴァリエーション(「僕はただ物の哀れへ浸ることのいよ深きを希求するばかりだ。」(中原中也「日記」一九三四年、二十七歳)
「人類の最善は第十九世紀を以つて言尽くされたのではあるまい乎。第二十世紀に入りて世はハツキリと末世に入つたやうな感がする。」(内村鑑三「日記」一九二六年三月十八日)
『西洋音楽史を聴く―バロック・クラシック・ロマン派の本質』を読む
「わが国の近代文学の青春を、永遠の若さのままで記念する双児の星座といえましょう。」(中村光夫))
第2部 ブラームス全曲をめぐる手記(交響曲第1番 ハ短調 作品68(8月2日)
交響曲第2番 ニ長調 作品73(8月3日)
交響曲第2番の四手ピアノ用編曲版(8月4日)
交響曲第3番 ヘ長調 作品90(8月5日)
交響曲第4番 ホ短長 作品98(8月6日) ほか)
著者等紹介
新保祐司[シンポユウジ]
1953年生。東京大学文学部仏文科卒業。文芸批評家。2007年、第8回正論新風賞、2017年、第33回正論大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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