出版社内容情報
石井 明[イシイアキラ]
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朱 建栄[シュケンエイ]
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内容説明
我々は「国境」問題にいかに向き合うべきか。近代の戦争と植民地の歴史の遺産として、複雑な国境事情が随所に残る日本周辺と東アジア。「尖閣」問題に焦点を当て、その歴史を再検証するとともに、他国・地域の実例をも参照し、「紛争」化を回避する繊細な外交努力の数々と、今こそ求められる解決への展望を、気鋭の執筆陣が描く。
目次
主権国家体制下、頻発する国境紛争
第1部 国境紛争の歴史的考察(近現代東アジア国際関係史と北方領土問題―米国の関与と背後の論理;領土問題の日独比較;中国の「国境政策」の変遷とその特徴―「海の国境」紛争を解決するための示唆)
第2部 激化する尖閣諸島(釣魚島)の帰属をめぐる紛争(沈没に向かう東アジア国際秩序と浮上してきた「魚釣島」;二つの「国際秩序」の衝突―一八七四年「台湾出兵」をめぐる日清両国の攻防とその延長にある「釣魚台/尖閣問題」;日本政府の「尖閣」主権主張の形成とその論理―国会答弁にみる政府見解の変遷と背景 ほか)
第3部 国境紛争の解決策を求めて(中ソ国境画定交渉前史―交渉推進には信頼関係構築が必要;南シナ海紛争と海洋法仲裁裁定;尖閣諸島(釣魚島)紛争解決ロードマップ試案)―二十一世紀の新「棚上げ」へ何が必要か
著者等紹介
石井明[イシイアキラ]
1945年千葉県生まれ。1970年3月東京大学大学院社会学研究科博士課程中途退学。東京大学教養学部助手、助教授を経て、2007年3月東京大学大学院総合文化研究科教授を定年退職。同年6月東京大学名誉教授。同年10月‐2009年3月北海道大学スラブ研究センター客員教授。2010年4月‐2022年3月日本大学国際関係学部客員教授。主著に『中ソ関係史の研究 1945‐1950』(東京大学出版会、1990年、第7回大平正芳記念賞受賞)、『中国国境―熱戦の跡を歩く』(岩波書店、2014年)など
朱建栄[シュケンエイ]
1957年上海生まれ。1982年中国・華東師範大学外国語学部卒業。1984年上海国際問題研究所付属大学院で法学修士号を取得。1986年来日、総合研究開発機構(NIRA)客員研究員。1992年、学習院大学で博士号(政治学)を取得。1992年4月東洋女子短期大学助教授。1996年4月より東洋学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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