出版社内容情報
小野 有五[オノユウゴ]
著・文・その他
内容説明
本書は、四半世紀に亘る自身のアイヌとの関わりを通した実践記録であり、自然地理学を専門とする著者が、氷河期から今日までの研究を通じて、「アイヌの人たち」の真実の歴史を描く問題作!
目次
第1章 アイヌ語地名の平等な併記をもとめる
第2章 知里幸恵を日本中に伝える
第3章 シレトコ世界自然遺産にアイヌが関与する
第4章 「先住民族サミット」でアイヌから世界に発信する
第5章 アイヌの歴史を取りもどす
おわりに 「新しいアイヌ学」のすすめ
著者等紹介
小野有五[オノユウゴ]
1948年東京生まれ。北海道大学名誉教授。東京教育大学理学研究科博士課程修了(理学博士)。専門は自然地理学、第四紀学。『自然をみつける物語』(全4巻:岩波書店)で第44回産経児童出版文化賞(1996)、地形学的研究による北海道での自然保護活動に対して第1回沼田眞賞(日本自然保護協会、2001)、『たたかう地理学』(古今書院)の刊行およびこれまでの研究に対して日本地理学会賞、人文地理学会賞、日本第四紀学会賞を受賞(2014)。本年、国際地理学連合より「顕著な地理学実践」賞2022(The IGU Distinguishsd Geographical Practice Award 2022を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
26
地理学者の著者は、四半世紀に渡り、北海道のアイヌ問題に関わってきた。アイヌ語の地名の平等な併記、知里幸恵の紹介、知床世界遺産におけるアイヌの存在の主張、先住民族サミットでの世界への情報発信など、活発に活動してきた。ただ、内部対立も多く、心労も絶えなかったようだ。活動が広がりに欠ける一因として著者は、「道アイヌ協会(旧ウタリ協会)」が道庁の要請で生まれた福祉団体でであることを挙げる。歴史修正主義者からの根拠のない攻撃もあり、前途はなお多難だが、学び続けていくしかないのだろう。2022/12/18