内容説明
「草原」「草むら」「牧草地」「牧場」など、「草」という存在は、神聖性、社会的地位、ノスタルジー、快楽、官能、そして「死」に至るまで、西洋文化の諸側面に独特の陰影をもたらす表象の核となってきた。“感性の歴史家”の面目躍如たる、「草」をめぐる感情・欲求の歴史。
目次
草と始原の風景
幼年時代と草―記憶
牧場の体験
牧草地あるいは「草の充足」
草、一時の避難所
小さな草の世界
「眠りよりも穏やかな草」(ルコント・ド・リール)
干し草刈りの匂い―草の仕事とその情景
社会的地位を示す草
「緑の草に白大理石の足が二本輝く」(ラマルチーヌ)
草、すなわち「大いなる姦淫」の場(エミール・ゾラ)
「死者の草」(ラマルチーヌ)
著者等紹介
コルバン,アラン[コルバン,アラン] [Corbin,Alain]
1936年フランス・オルヌ県生。カーン大学卒業後、歴史の教授資格取得(1959年)。リモージュのリセで教えた後、トゥールのフランソワ・ラブレー大学教授として現代史を担当(1972‐1986)。1987年よりパリ第1大学(パンテオン=ソルボンヌ)教授として、モーリス・アギュロンの跡を継いで19世紀史の講座を担当。現在は同大学名誉教授。“感性の歴史家”としてフランスのみならず西欧世界の中で知られており、多くの後続世代の歴史学者たちをまとめる存在としても活躍している
小倉孝誠[オグラコウセイ]
1956年生。慶應義塾大学教授。専門は近代フランスの文学と文化史。1987年、パリ第4大学文学博士。1988年、東京大学大学院博士課程中退。監訳書に、コルバン他監修『身体の歴史』(全3巻、日本翻訳出版文化賞受賞)がある
綾部麻美[アヤベマミ]
1982年生。慶應義塾大学法学部専任講師。専門は20世紀フランス詩。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得満期退学。2014年パリ第10ナンテール大学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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げんさん