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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツキノ
21
2006年9月発行。2020年12月に復刊されている。「本の花束」掲載本。アイヌの詩集を活かした古布絵がなんともいえず魅力的。こころの深いところに沁みるというか。森の守り神のカムイチカブが語る。どんじりのサケ、先頭のサケの「神をおそれぬことをしてはならぬ」というお告げに耳を貸さず。シマフクロウのカムイチカブは「わたしが怒りをかりたてたとて、なんのいいことがあろうか」と思い直す。ここが素晴らしい。(E203)2021/08/08
メープル
16
アイヌのお話。古い布とアイヌの伝統の刺繍を生かして作った「古布絵」の絵本。刺繍の温かみ優しさの中にシマフクロウの力強さ。とても惹かれました。見かけだけで相手を決めつけてはいけないよ。2021/06/16
なつきネコ
7
古布で綴られた、この不可思議世界は現実とはまた別の何かが漂うこの雰囲気はたまらなくいいな。一本一本、縫われた線が動きを見せてくれる。人はこんな、世界を絵本で示せるのかと驚いてしまう。シマフクロウの姿も愛嬌があっていいな。しかし、アイヌの言う世界感は不可思議で自然の中の役割が有ることをいう。サケにはサケの役割があり、シマフクロウにはシマフクロウの役割がある。最後の解説にある囲炉裏に塩を蒔いて謝罪する話は本当に中世的な雰囲気の残った話だなと思って、カムイの中で生きたアイヌの人々の姿が見えてくる。2022/07/15
天茶
3
★★★★☆2022/01/17
チェアー
3
丁寧に掘られた一本一本の線が生命を生み出す。 静けさの中、ぽちゃんというかすかな音が聞こえ、シマフクロウはサケをつかまえる。 波紋が広がり、また静けさに包まれる。 音が聞こえ、音が静まる。絵本の領域を超えた絵本。 2021/10/29