Bourdieu Library<br> 世界の悲惨 〈2〉

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Bourdieu Library
世界の悲惨 〈2〉

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  • サイズ A5判/ページ数 1086/高さ 22cm
  • 商品コード 9784865782561
  • NDC分類 361.235
  • Cコード C0030

出版社内容情報

ブルデュー社会学の集大成!

最も個人的な経験を理解するために、“社会”を理解すること――ブルデューとその弟子ら23人による52のインタビューの集成! 第2分冊では、正規/非正規労働者の分断、失業者、継承されない農業、学校教育の変容と教師・学生、女性の直面する困難などに耳を傾ける。


目次(第2分冊)

第Ⅳ部 没 落
 常勤工と期間工 ミシェル・ピアルー/ステファヌ・ボー
 古い労働者と新しい工場 ミシェル・ピアルー
  共産党支持の単能工 〈聞き手〉ミシェル・ピアルー
 期間工の夢 ステファヌ・ボー
  期間工たち 〈聞き手〉ステファヌ・ボー
 深夜勤の仕事 ロジーヌ・クリスタン
  郵便区分センターの女性職員 〈聞き手〉ロジーヌ・クリスタン
 所 有 ロジーヌ・クリスタン
  社長秘書 〈聞き手〉ロジーヌ・クリスタン
 家族の問題 ロジーヌ・クリスタン/ベルナール・ユルラヒェ
  女子工員 〈聞き手〉ベルナール・ユルラヒェ
 みんなのなぶり者 アブデルマレク・サヤド
一つの世界の終わり ピエール・ブルデュー
 組合代表の動揺 ミシェル・ピアルー
  労働総同盟組合代表の単能工 〈聞き手〉ミシェル・ピアルー
 下から見ると ピエール・ブルデュー
  三人の社会党地方責任者 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー
 かすめ取られた成果 サンドリーヌ・ガルシア
  フェミニズムの活動家 〈聞き手〉サンドリーヌ・ガルシア
 寡黙な証人 ロジーヌ・クリスタン
 かくも脆い均衡 ピエール・ブルデュー/ガブリエル・バラーズ
  ポルトガル人夫妻 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ/ジャン・バラン
 一本の糸にすがって ピエール・ブルデュー
  失業中の女性 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー
 浮浪者暮らし アンヌ=マリー・ヴァゼール
  浮浪者の男女 〈聞き手〉アンヌ=マリー・ヴァゼール
  ■終点ナンテール (ピエール・ルアープル)
 失われた人生 ピエール・ブルデュー
  ベアルン地方の二人の農業者 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー
 不確かな将来 パトリック・シャンパーニュ
  農民たち 〈聞き手〉パトリック・シャンパーニュ
 転 落 パトリック・シャンパーニュ
  田舎の商人 〈聞き手〉パトリック・シャンパーニュ
 失 望 フレデリーク・マトンティ
  国民戦線の女性活動家 〈聞き手〉フレデリーク・マトンティ
  ■見世物としての宗教 (フレデリーク・マトンティ)
 断ち切られたキャリア ルイ・パント
  失業中の管理職 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ/ルイ・パント
  ■どんなことでも意味なく起こったりしない

第Ⅴ部 内部からの排除 ピエール・ブルデュー/パトリック・シャンパーニュ
 しあわせな日々 ピエール・ブルデュー
  アラブ系の若者 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー/ロジーヌ・クリスタン
 楽園喪失 シルヴァン・ブロコリシ
  パリ近郊地区の三人の女子高生 〈聞き手〉シルヴァン・ブロコリシ
悪循環の歯車 シルヴァン・ブロコリシ/フランソワーズ・ウヴラール
  ■親からの圧力
  ■貧乏人の学校
 二重生活 ロジーヌ・クリスタン
  中学校の文学教師 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ/ロジーヌ・クリスタン
 国語の授業 ロジーヌ・クリスタン
 力関係 シルヴァン・ブロコリシ
  女性教師 〈聞き手〉シルヴァン・ブロコリシ
 制度がふるう暴力 ガブリエル・バラーズ/アブデルマレク・サヤド
  優先教育地区の中学校校長 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ/アブデルマレク・サヤド
 最初の世代 ガブリエル・バラーズ
  歴史専攻の学生 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ

[以下、第3分冊]


――マリーズは自分の話をしながら、女らしい心配によって屈折して映し出された、夫という一人の労働者の生活、そしてもっと一般的に、解体しつつあった一つの世界の現実を私に示してくれた。集団的な歴史に翻弄された人生について語るとき、ただ個人的な言葉、「ささいな話」、女の話しかもちあわせない、マリーズのような人の話に耳を傾けるには、別の聞き方が必要であるように私は思った。
そうした言葉や話は、女性の手によって書かれたときでさえ、正史からは常に排除されている。自らの人生の記憶、息子の難しい思春期、キャンピングトレーラー、絶え間ない失業の不安、病気といった次から次へ続く話の中に埋没しそうな多くの思い出を、マリーズが一緒にたどってくれたおかげで、私は、製鉄労働者の家族ではふつうだった悲惨な状況がどのようなものであったか、そして女性たちの不幸がどのようなものであったかを、悲惨な状況について公式な話がいつでもできるような、もっと「有能」で権威あるほかの話し手の話を聞くよりも、はるかによく理解することができた。社会世界の端役である女性たちには、最後の行き 場として、あらゆる危機の影響が、どうしようもなく収斂するのである。(本書「寡黙な証人」より)


【編者紹介】
●ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu, 1930-2002)
高等師範学校卒業後、哲学の教授資格を取得、リセの教員となるが、55年アルジェリア戦争に徴兵。アルジェ大学助手、パリ大学助手、リール大学助教授を経て、64年、高等研究院第6部門(後の社会科学高等研究院)教授。81年コレージュ・ド・フランス教授、2001年同名誉教授。レイモン・アロンの下で創設したヨーロッパ社会学センターおよび教育・文化社会学センター(現在は前者に統合)、雑誌『社会科学研究学報』を主宰し、90年代には出版社レゾン・ダジールを創設するなど、学際的共同研究を国際的に展開。20世紀における最も影響力ある社会科学者のひとりであり、新自由主義に反対するグローバルな動員を呼びかけた知識人のひとりだった。
社会学ならびに人類学の数多くの古典的作品の著者であり、『ディスタンクシオン』『再生産』(パスロンと共著)『社会学の社会学』『構造と実践』『話すということ』『資本主義のハビトゥス』『社会学者のメチエ』(シャンボルドン、パスロンと共著)『芸術の規則』『自由―交換』(ハーケと共著)『遺産相続者たち』(パスロンと共著)『ホモ・アカデミクス』『教師と学生のコミュニケーション』(パスロン、サン・マルタンと共著)『ハイデガーの政治的存在論』『政治』『住宅市場の社会経済学』『リフレクシヴ・ソシオロジーへの招待』(ヴァカンと共著)『実践理性』『結婚戦略』『国家の神秘』(ヴァカン他と共著)『パスカル的省察』『科学の科学』『自己分析』『国家貴族』『介入』『男性支配』『知の総合をめざして』など、また〈シリーズ・社会批判〉として『市場独裁主義批判』『メディア批判』(以上邦訳、藤原書店)など、多数の著書が ある。

【監訳者紹介】
●荒井文雄(あらい・ふみお)
1953年生。パリ第8大学一般言語学科博士取得。上智大学外国語学研究科言語学専攻博士後期課程中退。同大学言語情報研究所助手。1989年より京都産業大学外国語学部勤務。現在同大学名誉教授。言語学、教育社会学、メディア社会学専攻。
著作に「日本語及びフランス語における空間表現の対照意味論」(1994年)、「日本語における起因他動詞の習得段階」(2003年)、「フランスにおける学校選択と社会階層」(2011年)、「重大災害時におけるメディアの役割」(2012年)、「『風評被害』のプロトタイプ意味論」(2014年)、「福島第一原発事故関連報道と象徴暴力」(2016-17年)(以上『京都産業大学論集』)、「職業高校生たちの職業移行問題の構造」(園山大祐編著『教育の大衆化は何をもたらしたか』勁草書房、2016年)等がある。

櫻本陽一(さくらもと・よういち)
1966年生。1996年、パリ・ソルボンヌ(パリ第4)大学DEA(研究深化学位)取得。1999年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻単位取得退学。和光大学現代人間学部准教授等を経て、現在、社会科学高等研究院(EHESS)ヨーロッパ社会学センター所属、日本大学通信教育部・東洋大学社会学部講師。社会学専攻。
訳書にブルデュー『メディア批判』(2000年)『介入 Ⅰ・Ⅱ』(2015年、以上藤原書店)、論文に「職業団としてのフランス初等教員組合運動――その歴史的形成および解体の条件と意義」(広田照幸編『戦後日本における教職員組合』日本大学文理学部広田研究室、2018年)等がある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

40
読書の喜びの一つに、本の中に自らの姿を見い出す喜びがある。 この52のインタビューの中に、誰もが自らを見い出すことができるのではないだろうか。 あるいは、万一自らを見い出すことの出来なかった人も、一つの問いに立ち返るのではないだろうか? 「私とは誰か?」という問いに。/ 《待ち合わせの相手は、スーパーのレジ係をしている、マリーズという四十五歳の女性だった。 ー中略ー 私は、マリーズの甥ー略ーから、彼女の話と最近夫を亡くしたこと、それから今までの人生のことを少し聞いたのだ。2020/12/23

roughfractus02

8
言語の意味に留まらずその修辞、トーン、身振り、沈黙に話し手個々のハビトゥス、その属する界、文化資本を見出そうとする著者の社会学を実践するように、本書には面談記録を生き生きと記述する姿勢が一貫している。聞き手は「非暴力的」コミュニケーションに努め、何度も面会し、質問も精緻にせず、録音テープの書き起こしの際も論理に還元する傾向を避けている。すると話し言葉は声の身振り、情感、状況を示し、「世界」でなく「世界の悲惨」を浮かび上がらせる。2巻目の本巻では工員、浮浪者、農民、失業者、田舎の商人、教師らの声が聞こえる。2024/06/15

takao

1
ソーシャルワーカー(ストリートの官僚たち)2024/09/26

yanagihara hiroki

1
読み始める前はゾラのルゴン=マッカール叢書のような本なのかな、というイメージを持っていたのだが、一人一人の生活上の苦しみや闘いに、「社会」や「政治」が透けて見えること、その悩みながらも深い洞察の数々に何より感銘を受ける。社会学者が客観的にそれらを分析するのも素晴らしいが、そもそも市井の一人一人から出てくる苦悩ゆえの「社会」「共生」「政治」への深い洞察からは、森有正の言う『フランスでは『方法序説』を一度も読んだことのない農民が、方法序説のように生きている。」という言葉を想起させられた。2023/07/12

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