出版社内容情報
20世紀最大の環境破壊 琵琶湖の100倍 → 半世紀で、琵琶湖10個分に!!
湖面積が琵琶湖の100倍あった世界第4位の湖、中央アジアのアラル海。
それが、大規模な農地開発により、琵琶湖のたった10個分にまで縮小した。
琵琶湖のほとりで育ち、農学の道に進んだ著者が、アラル海消滅の危機にあるカザフスタンに通いつめ、消滅の現実と再生への希望を描く画期作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
7
人類が地図上に残した最大の環境破壊であるアラル海消滅に最初期から取り組んできた著者が、専門の研究だけでなく現地の人びととの地に足のついた数十年の交流を並行して語る。こうした本ではテーマが一方に偏りがちだが、コラムにあるように関係当局の協力を得るため苦労を重ねた経験が社会科学な視点も加えたようだ。アラル海問題については断片的に報道されてきたが、科学的知見を踏まえて原因から現状まで簡潔にまとめている。ソ連時代から続く棄民政策に翻弄される住民から金儲けを優先する政治まで、人の傲慢さ愚かさを改めて痛感させられる。2020/03/09
cochou
4
科学的見地から安易な環境破壊話にしていない。 調査のための資金調達の苦労や、外国人研究者にたかろうとする現地のプチ権力者が率直に描かれている。2020/07/02
takao
2
ふむ2021/08/31
Kaname Funakoshi
1
アラル海問題を知ったのは1990年代のニュースステーションだった記憶がある。ソ連時代からアラル海問題に取り組んでいた著者による詳細解説。アラル海に流れ込む大河を利用した灌漑が原因なのだけど、その灌漑のお陰で生活している人もいるのだから問題は簡単ではない。カザフスタンの灌漑から徐々にアラル海に近づいていく緊張感がある。2020/06/29