Bourdieu Library<br> 世界の悲惨 〈1〉

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Bourdieu Library
世界の悲惨 〈1〉

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  • サイズ A5判/ページ数 491p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784865782431
  • NDC分類 361.235
  • Cコード C0030

出版社内容情報

ブルデュー社会学の集大成!

社会は、表立って表現されることのない苦しみであふれている――ブルデューとその弟子ら23人が、52のインタビューにおいて、ブルーカラー労働者、農民、小店主、失業者、外国人労働者などの「声なき声」に耳を傾け、その「悲惨」をも たらした社会的条件を明らかにする。


目次(第1分冊)

 『世界の悲惨』とは何か ピエール・ブルデュー(聞き手=加藤晴久)
 読者に (ピエール・ブルデュー)

第Ⅰ部 様々な視点からなる空間 ピエール・ブルデュー
  ジョンキーユ通り ピエール・ブルデュー
   二つの労働者家族 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー/ロジーヌ・クリスタン
  行き所のない一家 アブデルマレク・サヤド
   労働者の町の住民たち 〈聞き手〉アブデルマレク・サヤド
  だれにも邪魔されない我が家で ロジーヌ・クリスタン
   郊外に一戸建ての家を持っていた女性 〈聞き手〉ロジーヌ・クリスタン
 メディアの視点 パトリック・シャンパーニュ
  どうにもならない現実 ピエール・ブルデュー
   フランス北部の二人の若者 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー
  フランスに同化した家族 パトリック・シャンパーニュ
   低家賃住宅団地に暮らす女性 〈聞き手〉パトリック・シャンパーニュ
  割に合わない投資 ガブリエル・バラーズ
   女性商店主 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ
  悪評との戦い ガブリエル・バラーズ
   低家賃住宅の住民 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ
    ■団地住民からテレビ記者への公開質問状
  最後まで残る相違 パトリック・シャンパーニュ
   低家賃住宅の管理人 〈聞き手〉パトリック・シャンパーニュ
  「バッサリ却下」 ガブリエル・バラーズ
   市会議員 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ/ジャン・バラン

第Ⅱ部 場所の作用 ピエール・ブルデュー
 アメリカという逆ユートピアから ロイック・ヴァカン
  ゲットーの「ヤバいとこ(ザ・ゾーン)」 ロイック・ヴァカン
    ■シカゴの黒人ゲットーにおける貧困と犯罪
    ■ハーレムの稼ぎ人(ハスラー)
  アメリカの黒人ゲットーに住む稼ぎ人(ハスラー) 〈聞き手〉ロイック・ヴァカン
 エル・バリオのホームレス フィリップ・ブルゴワ
  ハーレムのプエルトリコ人麻薬売人 〈聞き手〉フィリップ・ブルゴワ

第Ⅲ部 国家の不作為 ピエール・ブルデュー
  達成不可能な任務 ピエール・ブルデュー
   フランス北部のプロジェクト主任 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー
  制度の自己欺瞞 ピエール・ブルデュー
  不安定な立場とダブルバインド ピエール・ブルデュー/ガブリエル・バラーズ
   街頭指導員 〈聞き手〉ピエール・ブルデュー/ガブリエル・バラーズ
  「作業」 ガブリエル・バラーズ
   地域ミッションセンターのセンター長 〈聞き手〉ガブリエル・バラーズ
 国家の視点 パトリック・シャンパーニュ
    ■移民流入の「費用」と「便益」 (アブデルマレク・サヤド)
 秩序を維持する法執行者の無秩序 レミ・ルノワール
  貧乏人の警察 レミ・ルノワール
   警 視 〈聞き手〉レミ・ルノワール
  女性であり、警察官であること レミ・ルノワール
   若い女性刑事 〈聞き手〉レミ・ルノワール
  生身の糾弾 レミ・ルノワール
   司法官 〈聞き手〉レミ・ルノワール

[以下、第2分冊]


――聞きとりの対象になった人たちはどんな人たちなのですか? それは本当にさまざまな境遇の人たちです。いわゆる極貧層に属する人たちがいます。たとえば失業者や労働者、ホームレス、浮浪者といった人々です。それとは逆に「小さな悲惨」に苦しむ人たちもいます。つまり、家もあるし、安定した仕事もあって、幸せであるための条件はすべて揃っているように見えながら、実際には職場の労使関係や人間関係で大きな悩みを抱えている人々もいます。
ですから、この聞きとり調査は、フランスで「排除されている人々」、「第四世界」と呼ばれる人々だけを対象としているのではありません。日常的に私たちが出会うような人々、たとえば教師とか学生といったごく普通の人たちも含まれているのです。私は極端に不幸な人の例をわざわざ選んだりはしていません。むしろあまりにドラマチックな例は外しました。というのも、『世界の悲惨』の基本的なコンセプトは、社会は表立って表現されることのない苦しみであふれている、その声にならない苦しみに耳を傾けようというものだからです。(本書より)


【編者紹介】
●ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu, 1930-2002)
高等師範学校卒業後、哲学の教授資格を取得、リセの教員となるが、55年アルジェリア戦争に徴兵。アルジェ大学助手、パリ大学助手、リール大学助教授を経て、64年、高等研究院第6部門(後の社会科学高等研究院)教授。81年コレージュ・ド・フランス教授、2001年同名誉教授。レイモン・アロンの下で創設したヨーロッパ社会学センターおよび教育・文化社会学センター(現在は前者に統合)、雑誌『社会科学研究学報』を主宰し、90年代には出版社レゾン・ダジールを創設するなど、学際的共同研究を国際的に展開。20世紀における最も影響力ある社会科学者のひとりであり、新自由主義に反対するグローバルな動員を呼びかけた知識人のひとりだった。
社会学ならびに人類学の数多くの古典的作品の著者であり、『ディスタンクシオン』『再生産』(パスロンと共著)『社会学の社会学』『構造と実践』『話すということ』『資本主義のハビトゥス』『社会学者のメチエ』(シャンボルドン、パスロンと共著)『芸術の規則』『自由―交換』(ハーケと共著)『遺産相続者たち』(パスロンと共著)『ホモ・アカデミクス』『教師と学生のコミュニケーション』(パスロン、サン・マルタンと共著)『ハイデガーの政治的存在論』『政治』『住宅市場の社会経済学』『リフレクシヴ・ソシオロジーへの招待』(ヴァカンと共著)『実践理性』『結婚戦略』『国家の神秘』(ヴァカン他と共著)『パスカル的省察』『科学の科学』『自己分析』『国家貴族』『介入』『男性支配』『知の総合をめざして』など、また〈シリーズ・社会批判〉として『市場独裁主義批判』『メディア批判』(以上邦訳、藤原書店)など、多数の著書が ある。

【監訳者紹介】
●荒井文雄(あらい・ふみお)
1953年生。パリ第8大学一般言語学科博士取得。上智大学外国語学研究科言語学専攻博士後期課程中退。同大学言語情報研究所助手。1989年より京都産業大学外国語学部勤務。現在同大学名誉教授。言語学、教育社会学、メディア社会学専攻。
著作に「日本語及びフランス語における空間表現の対照意味論」(1994年)、「日本語における起因他動詞の習得段階」(2003年)、「フランスにおける学校選択と社会階層」(2011年)、「重大災害時におけるメディアの役割」(2012年)、「『風評被害』のプロトタイプ意味論」(2014年)、「福島第一原発事故関連報道と象徴暴力」(2016-17年)(以上『京都産業大学論集』)、「職業高校生たちの職業移行問題の構造」(園山大祐編著『教育の大衆化は何をもたらしたか』勁草書房、2016年)等がある。

櫻本陽一(さくらもと・よういち)
1966年生。1996年、パリ・ソルボンヌ(パリ第4)大学DEA(研究深化学位)取得。1999年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻単位取得退学。和光大学現代人間学部准教授等を経て、現在、社会科学高等研究院(EHESS)ヨーロッパ社会学センター所属、日本大学通信教育部・東洋大学社会学部講師。社会学専攻。
訳書にブルデュー『メディア批判』(2000年)『介入 Ⅰ・Ⅱ』(2015年、以上藤原書店)、論文に「職業団としてのフランス初等教員組合運動――その歴史的形成および解体の条件と意義」(広田照幸編『戦後日本における教職員組合』日本大学文理学部広田研究室、2018年)等がある。

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感想・レビュー

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燃えつきた棒

47
「日本残酷物語」好きの僕にはもってこいの本だ。/ 《私は極端に不幸な人の例をわざわざ選んだりはしていません。むしろあまりにドラマチックな例は外しました。というのも、『世界の悲惨』の基本的なコンセプトは、社会は表立って表現されることのない苦しみであふれている、その声にならない苦しみに耳を傾けようというものだからです。》(『世界の悲惨』とは何か)/2020/12/10

roughfractus02

8
著者以下26人の聞き手が仏在住を中心とした64人に聞き取り調査をした本書は(1993年刊)、極貧層に加えて日常を営む人々を対象とする。メディアが扱う劇的エピソードを避け、聞き手の質問内容や提示手順も考慮され、話し手個々のハビトゥス(生まれ持つ性向)が織りなす力の場(界)として社会を前景化し、読者が人間の社会学的理解を深める配慮が各所に見られる。ここに新自由主義の住宅政策を置くと、集団を解体し個を隔離する住空間の変容とこの体制の格差拡大の加速を隠蔽するメディアと相俟って、排外主義を増幅させる仕組みが見える。2024/06/14

yanagihara hiroki

2
インタビューを受ける市井の一人一人がハヴェルの言う「ディシダント」そのものであるという、フランス社会の分厚さがとてもよくわかる本だ。それぞれのインタビューに対して社会学者が考察するのもその深堀りに寄与しているわけだが、それ以上に一人一人の人生が社会の問題や政治の問題と直面しては、その中で孤立無援に戦ったり、あるいは迫害に加担したりするにせよ、現実の社会問題と対峙せずには個々の人生が存在しえない、というその在り様がこれでもかと痛いほどに伝わってくる。脱政治化した日本との大きな違いだと痛感させられる。2023/06/26

takao

1
ソーシャルワーカー(ストリートの官僚たち)2024/09/26

えいじ

1
先ずは1巻目だけの感想。ハビトゥス(俗っぽいが生まれ育ちと解釈しました)が異なる人の事は全く理解出来ていない事に驚き。分断とそこから始まる非難の応酬は、他者への理解不足から始まるんだろう。2021/03/16

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