内容説明
脳梗塞による右半身麻痺と構音・嚥下障害の身体は多田富雄をいかに変えたのか。世界的免疫学者として各地を飛び回っていた多田を、突如襲った脳梗塞の発作。新しい「自己」との出会い、リハビリ闘争、そして、死への道程…。生への認識がいっそう深化した、最晩年の心揺さぶる言葉の数々。
目次
1 寡黙なる巨人(“詩”新しい赦しの国;小謡 歩み;寡黙なる巨人 ほか)
2 人間の尊厳(“詩”君は忿怒佛のように;診療報酬改定 リハビリ中止は死の宣告;小泉医療改革の実態―リハビリ患者見殺しは酷い ほか)
3 死を想う(死の生物学;二つの死;引き裂かれた生と死 ほか)
著者等紹介
多田富雄[タダトミオ]
1934年、茨城県結城市生まれ。東京大学名誉教授。専攻・免疫学。元・国際免疫学会連合会長。1959年千葉大学医学部卒業。同大学医学部教授、東京大学医学部教授を歴任。71年、免疫応答を調整するサプレッサー(抑制)T細胞を発見、野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など多数受賞。84年文化功労者。2001年5月2日、出張先の金沢で脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と仮性球麻痺の後遺症で構音障害、嚥下障害となる。2010年4月21日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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