内容説明
日本独自に誕生していた近代科学!日本の科学の特殊性とは?「科学なき近代」といわれた日本・中国だが、科学はあった。(伊能忠敬は1817年に日本全図を完成、カッシーニ父子によるフランス全図完成は1790年)岩倉使節団の欧米視察によると、東西文明のタイムラグは50年程度である。日本最古の医学書『医心方』には、中国医学と異なる独自の医学体系が見られる。―受容史だけではない日本の科学史へのまなざし。
目次
1 二つの展望(十八、九世紀の日本と近代科学・技術;日本と中国、知的位相の逆転のもたらしたもの)
2 科学の出発(飛鳥の天文学的時空―キトラ『天文図』;日本医学事始―『医心方』)
3 科学の日本化(医学において古学とはなんであったか―山脇東洋;反科学としての古方派医学―香川修庵・吉益東洞;現代日本において学問はいかにして可能か―富永仲基)
4 科学の変容(中国の「洋学」と日本―『天経或問』;幕府天文方と十七、八世紀フランス天文学―『ラランデ暦書管見』;見ることと見えたもの―『米欧回覧実記』他)
補論 浅井周伯養志堂の医学講義―松岡玄達の受講ノート
著者等紹介
山田慶兒[ヤマダケイジ]
1932年福岡生。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は、科学史。京都大学理学部宇宙物理学科卒、同大学大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程修了。中国古代医学史研究でA.L.Basham Medal受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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