出版社内容情報
スパイたちの見た街「東京」を現代に再現!
サンボの創始者オシェプコフ、ソ連の探偵小説の先駆者ロマン・キム、そしてリヒャルト・ゾルゲ……二十世紀前半の東京を跋扈した、個性溢れるロシア/ソ連の諜報員たち。情報公開(グラスノスチ)による最新の資料を駆使して、高度に知的な彼らの実像と、その東京における足跡を辿り直した異色のドキュメント。
アレクサンドル・クラーノフ[アレクサンドルクラーノフ]
村野 克明[ムラノカツアキ]
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
21
1970年モスクワ生まれのロシアの日本学者、作家、ジャーナリストのアレクサンドル・クラーノフ氏による2014年著作訳本。著者の大いなる東京愛が伝わってきた。諜報員で後のサンボの創始者ワシーリー・オシェプコフ、リヒャルト・ゾルゲ、ソ連探偵小説の元祖キン・キュリー等が東京のどこに住みどこで活動していたかを調査して示す。ゾルゲが一軒家に住み畳の部屋でベッドでなく布団で寝起きしていたとは!米国大使館の壁にバイクでぶつかり聖路加病院に入院も知らなかった。石井花子と出会う銀座レストランの給料無の勤務仕組みも興味深い。2022/05/19
takao
1
ふむ2021/10/10
古本虫がさまよう
1
著者はロシア人。1970年生まれの日本学者。本書は「註」が一杯つくような「学術論文」ではなく、ジャーナリスティックな筆致で、「日本で活動したスパイたち」の足跡を地理・地誌的、そしてなんと(?)グルメ的(?)に追究したノンフィクションタッチのエッセイ本。ゾルゲなど大物スパイのほかに、ラストヴォロフ(ラストボロフ)やレフチェンコやプレオブラジェンスキーも登場する。日本の行く末を思うと、いまも平成の「ゾルゲと尾崎秀実」が日本国内にウヨウヨいて、仮面をかぶって言論活動などを展開していると思うと、ぞっとしてくる? 2018/10/09