出版社内容情報
“民主主義社会”からどのようにしてテロが起こるのか?
直面する変化と危機の実像に着実なフィールド調査で鋭く迫る!
移民、郊外、イスラム、マスコミ、インターネット、女性、刑務所、自爆、ライシテ……現代社会のさまざまな軋轢に確かな光を当てた意欲作。
暴力-イデオロギーの結びついた“テロリズム”の変遷をたどり、正義や人道という建て前だけでは語れない構造的問題と、孤立、犠牲、絶望、欲求不満などの精神的問題、集団、資金などの経済・社会的問題における現実を提示、そこからの脱却の可能性を探る。
日本の移民問題にも言及したオリジナルインタビューも収録。
ファラッド・コスロカヴァール[ファラッドコスロカヴァール]
池村 俊郎[イケムラトシロウ]
山田 寛[ヤマダヒロシ]
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yo
5
フランスでの若者のイスラム過激化の原因と対策を探求する。社会学の視点から行っているらしい。若者の意識に焦点を中てて、何にどう感じて行動に移しているかが中心に語られている。根本的には社会から排除され、差別を受けていると感じている若者が、社会への報復を考えるとき、基本的には周囲への暴力や犯罪に手を染めるというパターンがあったが、そこにイスラムの思想が混ぜ合わさることで、イスラム過激主義に変化するという。原書が出たのが2014/12で、その翌月にシャルリ・エブド襲撃事件が起きてることからも注目が集まったらしい。2016/12/07
numainu
2
評価D2017/04/18
K
0
世界はなぜ、というよりもフランスでいかに移民が社会に受け入れられず構造的な差別を受け、閉塞感や刑務所で感化されたりで過激化していく様を詳しく書いている本だと感じた。laïcitéを掲げているとはいえ元はキリスト教社会で、そこにイスラム教徒が入っていっても本当の意味で融合できることはないだろうし、植民地政策の罪深さを思わずにはいられない。2017/07/28