出版社内容情報
現代詩の光跡の彼方を生きる詩人が、旅の中で写しとった幾層もの声々――
沖縄、奄美、遠野、ニューヨーク、アイルランド、ソウル、釜山、ブラジル……いくつもの旅のなかで、小津安二郎、ベケット、キーツ、ジャコメッティ、イリイチ……いくつもの言葉の、写真の、絵の、映画のなかで、耳に、目に、あらゆる器官に押し寄せてきた、表に、裏の、幾重にも折りたたまれた“声”たちを、写真と詩で写しとり、浮かびあがらせる。
『機』誌2001年2月?08年1月、「triple ∞ vision」として写真とともに掲載された詩連載が、満を持して単行本化。詩の見えない“枠”を破り、乗り越ええた現代日本唯一の詩人が全身で写しとった“声”の数々。
「すっかり整いすぎてしまっている日本語への不足感が、吉増剛造には何か怨念のようにある」(金時鐘)。
吉増 剛造[ヨシマスゴウゾウ]
吉増剛造(よします・ごうぞう)
1939年東京生。詩人。大学在学中から旺盛な詩作活動を展開,以後先鋭的な現代詩人として今日に至るまで内外で活躍,高い評価を受ける。評論,朗読のほか,現代美術や音楽とのコラボレーション,写真などの活動も意欲的に展開。著書『出発』(新芸術社)『黄金詩篇』『オシリス,石ノ神』『生涯は夢の中径』(思潮社)『螺旋歌』(河出書房新社)『剥きだしの野の花』(岩波書店)『詩をポケットに』(NHK出版)『ごろごろ』(毎日新聞社)『キセキ gozoCin?』(オシリス)『詩学講義 無限のエコー』(慶應義塾大学出版会)『静かな場所』『裸のメモ』(書肆山田)他多数。2015年日本芸術院賞・恩賜賞。
内容説明
前衛吉増詩人が、“言葉‐イメージ‐音”の錯綜するさまざまな聲を全身で受けとめ、新しい詩的世界に果敢に挑戦!
目次
沖縄平和通りと那智ノ瀧
嘉手納、嘉手納汝ガ名ハ嘉手納
わたくしは刹那に倖せをみた(Jonas Mekas)―林檎
もののひかりの静かな劇は、…
夾竹桃のある枝が言った(高銀)
“野”に、仙人掌の“美しき”―二〇〇一年六月九日 小千谷
高銀氏、雜ることの音楽へ
プール平のプールの底に一本の樹木がはえて来ていた
わたくしの眼も浦島太郎の目であったとは、…
魂が色づくことを許すもの〔ほか〕
著者等紹介
吉増剛造[ヨシマスゴウゾウ]
1939年東京生。詩人。大学在学中から旺盛な詩作活動を展開、以後先鋭的な現代詩人として今日に至るまで内外で活躍、高い評価を受ける。評論、朗読のほか、現代美術や音楽とのコラボレーション、写真などの活動も意欲的に展開。文化功労者、2015年日本芸術院賞・恩賜賞、日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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