出版社内容情報
アメリカ的世界観へのアンチテーゼ!
東北アジアの歴史的「矛盾」とも言える朝鮮民主主義人民共和国を「思想的」に捉える! 戦後、アメリカ的民主主義の中で思考停止する日本だが、北朝鮮に対し硬直した態度をとっていては、事はすまない。「生命の個人化」が進むあまり、歴史的視点を失う日本に突きつける。
【著者紹介】
●小倉紀蔵(おぐら・きぞう)1959年東京生。現在、京都大学総合人間学部、大学院人間・環境学研究科教授。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得。専門は、東アジア哲学。著書に、『朱子学化する日本近代』(藤原書店)『韓国は一個の哲学である』『歴史認識を乗り越える』(講談社)『心で知る、韓国』(岩波書店)『ハイブリッド化する日韓』(NTT出版)『〈いのち〉は死なない』(春秋社)『新しい論語』(ちくま新書)ほか多数。編著書に『日韓関係の争点』(藤原書店)他。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
29
北朝鮮という国家の本質と日本とはどこかでつながっているという認識を持つことが重要(4頁)。北朝鮮は論理性で倫理的。その論理と倫理を認めない国家と対立する(24頁)。歴史問題は道徳問題(42頁~)。日本が新しい枠組みをつくって思考停止から脱却する(62頁)。思考停止する教育を改め、読書重視、思考力、表現力を高める教育にしなければこの思考停止の癖は簡単には治らないのではないか? 著者は、日本からは朝鮮半島の2国はニヒリズム(虚無主義)国家に見えると指摘する(70頁)。2015/08/22
matsu04
16
よくある北朝鮮本とは完全に一線を画する良書ではある。しかしながら、著者は東アジア哲学が専門というだけに、その主張を理解するのは困難を極める。またついでに言うと、この紙数で税抜き2,600円はちょっと高過ぎ。2015/06/05
ミネチュ
2
日本ではある意味、北朝鮮を否定しない者は非国民的な風潮がありますし、マスコミもヒステリックに北朝鮮はいかにひどい国かを報道し続けていて、私はそういう風潮に対して疑問を持ってます。この本を読んで我が意を得たりという感じもしました。2015/09/05
金北山の麓に生まれ育って
1
小倉さんの著作は昨年末から八冊読みましたがこの著作はベスト、処女作と全思想史も優れていますが。北朝鮮というより北朝鮮と韓国の両論の内容です。快刀乱麻のたとえばの例は、韓国は現場や職人を大事にしない何故なら「道徳という名の超越性に従属している(依存している)」からだとか、「道徳まみれだから腐敗が横行する」という思想からの説明とかです、眼から鱗でした。2019/01/01
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