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内容説明
１９９７年に設立された日本会議はいま最も行動的な右派団体で、神社本庁といくつかの宗教団体が中核をなしています。また関連組織の日本会議国会議員懇談会には安倍首相をはじめ約２８０人の国会議員が加わっており、閣僚の大半もメンバーです。安倍政権の有力な支援組織といっていいでしょう。本書は、日本会議と神社本庁の活動を歴史的に追い、両団体の「解剖」をめざしました。
目次
第１章 日本会議と国家神道（日本会議と宗教右翼；神社と国家の関係はどう変化したか―宗教学者 島薗進インタビュー）
第２章 政治団体化する神社（神社乗っ取り事件；明治時代の天皇崇拝は神道の長い歴史では特殊―清洲山王宮日吉神社宮司 三輪隆裕インタビュー）
第３章 日本会議の思想（日本会議のターゲットの一つは憲法２４条の改悪；幼稚な陰謀論と歴史修正主義；左翼との闘いが日本会議の核をつくった―元「一水会」顧問 鈴木邦男インタビュー）
安倍政権を支える日本会議と「日本会議議連」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイランド
73
週刊金曜日編集だけあって、左翼的言辞が多くちょっと辟易。しかし、神社本庁が日本会議の活動に深く関与していること。日本会議が安倍政権を応援というより利用しているらしいこと。そも彼らの言う取り戻すべき日本が、大正～終戦までの短期間の膨張期日本を指しているらしいこと。そしてなおかつ、神社本庁が日本古来の神社文化を破壊しようとしていることが理解できた。。一つ言えることは、彼らの言う美しい日本が、彼らに都合のいい日本であるということ。そのためには日本古来の慣習も千年を超える歴史を持つ神社を壊しても構わないらしい。2017/07/18
きいち
37
お宮さんの前を通りかかったら、だいたいは必ずお参りに入る。だから今年の正月は異様だった。お参りするところ必ず、「憲法改正」の署名用紙が置いてあるのだ。日本会議、そして神社本庁の仕業だったのか…と手に取った。宮本常一はじめ、柳田や南方を尊敬する自分にとって、国家神道と神社本庁は伝統を守る者ではなく、伝統を破壊する者。それがこんなに影響力を増しているなんて。◇巻末の国会議員リストは非常な労作。これは買っておかなきゃ。◇もとから日本会議を苦々しく思っている人に、自分の立場を理論武装するためのツールを提供する本。2016/07/29
AICHAN
32
図書館本。「はじめに」により→「日本会議はいま最も行動的な右派団体で、神社本庁といくつかの宗教団体が中核をなしています。また関連組織の日本会議国会議員懇談会には、安倍首相をはじめ約280人の国会議員が加わっており、閣僚の大半もメンバーです（2016年）。安倍政権の有力な支援組織といっていいでしょう。今まさに“改憲”という政治命題のもとで、ナショナリズム（安倍政権）と宗教組織（日本会議）が結びついているのです。しかも、両者が目指しているのは“改憲”ではなく“壊憲”です。なぜなら同会議の目指す改憲案は（続く）2018/11/07
太田青磁
18
安倍や「若手議員の会」は教科書を検定する文部科学省の官僚のみならず、教科書会社の社長や教科書執筆者に対しても、侵略戦争や日本軍「慰安婦」の記述が「わい曲されている」などと詰問し、削除するよう圧力をかけた・この校長は、自殺以前から「君が代」は身分差別助長につながるとして「やりたくない」との意志を表明しており、それを察知した県教委から何度も「実施」を求める電話を受けていた・心から国旗を仰ぎ、堂々と国歌を歌うのが立派な日本人・日本会議議連に加入する議員が増え続けるのは、小選挙区では公認されなければ当選しない現実2016/09/10
かふ
16
菅野完「日本会議の研究」の二番煎じという感は否めない。ただ前書は神社本庁との関係はあまり書かれていなかったので興味を持った。明治神宮権宮司の副島廣之が中心となっての元号法制化運動、「日本を守る会」、改憲、新たな歴史教科書へと日本会議と繋がっていく。日吉神社の宮司の三輪隆裕のインタビューは背景がよくわかった。天皇崇拝の皇国史観は明治に出てきたもので長い神道では特殊なこと。明治の中央集権化とキリスト教への対応（西欧化と帝国主義）だった。日本会議が目指すのはこの明治維新後の皇国史観と国民教化の教育勅語。2016/07/11
