内容説明
シリアで戦士として戦い、瀕死の重傷を負った若者。彼が体験した「戦争」とは―。
目次
サラフィー・ジハーディスト シリア1(ムハンマド軍へ入隊)
バックグラウンド 日本1(いじめ;自衛官;農業再興;戦場へ)
バトルフィールド シリア2(実戦;イスラムの戦士たち;絶体絶命;療養)
ジャザーカ・アッラー・ホ・ハイラン 日本2(帰国)
対談 SEALDs RYUKYU 元山仁士郎×鵜澤佳史 24歳俺たちのたたかい方―沖縄・シリア・日本
著者等紹介
鵜澤佳史[ウザワヨシフミ]
1988年千葉県生まれ。小学生の頃の「いじめ」が原因で自殺を考えるが思いとどまり、中学卒業後に陸上自衛隊少年工科学校に進学。その後、東京農業大学に進学し、農産物の販売会社を設立。2013年にシリアの反政府組織に加わり戦う。戦闘中の負傷が元となり帰国。戦争と「イスラム過激派」の“素顔”を伝えたいとの想いから『僕がイスラム戦士になってシリアで戦ったわけ』を出版。帰国後は、都内の会社で営業職として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
18
311直後に袖触れる機会があった鵜沢君の本をだんなが借りてきた。彼は自分自身の意志で選択した状況の中で幸運な出会いをたくさんし、何度か危険な目にあい、そして戻ってきた。その選択を批判する権利など私にはない。ただ行動すること、その衝動は止められない。そして、意味など求めてはいけないと思う。生き続けるもの、そして立ち上がり続けるものに正義は宿りがちだ。大国の陰でひっそりと生きるからこそ、あがく存在が美しく感じられるのかもしれない。2016/05/19
ずんず
6
決して賛同する理由ではありませんでしたが、イスラム教に改宗して、戦争に行った話です。いろんな過去があって思い立ったようですが、戦争とはいえ人を殺さなくて本当に良かったと思います。この筆者、「自分のせいで」をとても気にしているので、もし人を殺してきたら、尋常な精神じゃなくなっただろうと思います。 怪我をしてすぐに日本に帰ってきましたが、社会復帰が難しくなっていただろうと思います。危険な所へ行ったことに批判をする人もいるでしょうが、リアルな戦争を知れる貴重な話だと思います。2022/02/26
nyantamaru
2
文章表現が巧み。書き慣れている感あり。戦うことに意義を見出せるのは「戦う自分」が自信だったから。それこそが本人を本人たらしめていたのだろう。「お前は殺人事件を起こす」と言った記者の気持ちも分かる気がする。あとがきの自己分析出来てるところ読んでひとまず安心。内部を見てきた人間として希少価値高く、発信していって欲しい。「戦い」に自らの価値、自信を求めなくても魅力ある人間なのだから、変に固執しないで欲しい。最後のシールズとの対談は「?」。せっかくの事実本もカラーが付いてしまった。一同期として本人の心中が心配。2016/03/28
コーヘー@
1
「戦うこと」に生を見出した作者が長年積み重ねてきた思いが爆発してシリアに渡航し、自由シリア軍の兵士として戦う日々を綴ったルポルタージュ。「戦争やテロリストに一方的なステレオタイプはいない」ということを現場目線で残しており、その描写は痛みを伴い、文から目を逸らし、ページを飛ばした。それでも戦う理由にはならないけど。結局、著者にとってはどんな大義名分よりも口実が当時欲しかったのだろう。何か違う世界線の人間-なんて思った。結局作者はこの先どうするつもりなのか?2019/03/23
sataz
1
なかなか興味深い。自分探し的に自衛隊に入り、あげく内戦のシリアに行くところはちょいと理解しがたくもあるけれど、シリアでの待機状態や実際の戦闘状況は自らの体験ならではだろう。 エンタメ的に考えたら、最後どうしたかはつまらなくも感じるが、ある意味普通になる方向だったということだろう。2019/02/24
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