出版社内容情報
人権とは、誰もが生まれながらに持っている権利であり、幸せに生きるために、尊重しなくてはならないものです。
「世界人権宣言」では「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」とうたわれています。
わが国の憲法でも、すべての国民は、法の下に平等であり、人種や性別、社会的身分などによって差別されないことや、教育を受け、職業を自由に選ぶ権利があること、お互いの意思で結婚できることなどが保障されています。
しかし、現実には、人権侵害を受けている人々がいます。同和地区出身という理由だけで、就職や結婚などで差別されたり、 誹謗・中傷する内容の落書きやインターネットへの書き込み、差別につながるおそれのある身元調査や土地調査などの事象は未だに後を絶ちません。
このような中、平成28(2016)年12月に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。
東京都は、同和問題の解決を都政の重要な課題として捉え、様々な取組を行ってきました。今後も、平成27(2015)年8月に改定した「東京都人権施策推進指針」に基づき、同和問題に関する差別意識の解消に向けて、都民一人ひとりの同和問題についての理解と認識が深まるよう、様々な啓発や相談に取り組んでいくとともに、学校教育及び社会教育を通じて、同和問題の解決に向けた取組を推進していきます。
差別や偏見をなくし、誰もが個性や能力を十分に発揮できる社会を築くには、都民の皆様が同和問題を自らの問題として考え、解決に努めてくださることが大切だと考えます。
この冊子は、そのための一助となるよう作成しました。ご活用いただければ幸いです。