出版社内容情報
本稿は、江戸期以来の深川の水船業者を中心に水屋という呼称で知られている水売り業の明治期における展開と近代水道の普及に伴う衰退過程を考察しようとしたものである。江戸・東京の水道に関しては、『東京市史稿』上水篇をはじめとして幾多の史料集や論考が出されているが、飲料水販売の全般に関する実証的な検討は、これまで十分にはなされてこなかった。
本稿では、もとより残された関連史料が不十分なため、飲料水販売の細部については判然としない点も多多あり、触れえなかった事項も少なくないが、史料紹介も兼ねて、当館所蔵史料を中心に検討を加え、当時の新聞・雑誌等でこれを補足した。
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/archives/0604t_kiyo31.htm