出版社内容情報
はしがき
本稿は、既刊の「東京の大学」の続編をなすものである。明治初年から二十年代にかけて創設された私学理科系教育施設の実態を東京府文書によってあきらかにしようと試みたものであるが、法文系のばあいと、そのとりあげ方に、多少のちがいがある。
「東京の大学」では、現在、大学とよばれているものだけに限ったが、理科系教育施設については同じようにあつかえなかった。法文系専門教育施設の多くが、現在までつづいて大学となっているのに反し、理科系の施設には、大きな成果をあげながら、途中廃校の憂き目にあったものがあるからである。農業教育における学農杜、医学、薬学教育における済生学舎の存在は、明治初期の理科系専門教育にふれるばあい、おとすことができない。現存してはいないけれど、とりあげたゆえんである。
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/01soumu/archives/0604t_kiyo11.htm