出版社内容情報
戦後80年の結論!
憲法改正を画策する者たちの手の内はすべてみえている
起草者の諸属性、使用された言語の帰属性などは二義的な要件。
国の安全保障云々は、別次元の問題へのすりかえ。
憲法条文とは言葉を超えるもの、「戦争の惨禍」から自己否定的に主体形成した超歴史的な言語提示である。
積極的な護憲とは、成長しつづける樹木の運動に喩えられる平和状態へのプロセス。
護憲論の根底には、多くの日本人の宗教的な心性に抵触する本質が存在する。
無名の死者が憲法「第9条」を支えている。
憲法第9条こそが、戦後社会からのもの言わぬ三百万の戦死者への最大最高の公的な応答であり、同時に何ものにも替えがたい慰霊のための制度なのである。
【目次】
Ⅰ なぜ〝ゆきつく果て〟が護憲なのか……憲法は言葉であって言葉ではない/憲法第0条問題――従来の護憲論にない視点/死者たちこそが憲法9条を支えてきた/なぜ〝ゆきつく果て〟が護憲なのか――加藤典洋からの吹き寄せ
Ⅱ 長い戦後を考える……戦争悪から〈非=戦〉を問う/大江健三郎と「戦後民主主義」/「象徴天皇制」は革命対象たりうるか
Ⅲ 平成天皇と改元について……明仁天皇と「象徴」の霊性/令和=論(A)あるいは仮死状態で生まれた元号
内容説明
憲法改正を画策する者たちの手の内はすべてみえている。護憲論の根底には、多くの日本人の宗教的な心性に抵触する本質が存在する。憲法第9条こそが、戦後社会からのもの言わぬ三百万の戦死者への最大最高の公的な応答であり、同時になにものにも替えがたい慰霊のための制度なのである。
目次
第1章 なぜ“ゆきつく果て”が護憲なのか(憲法は言葉であって言葉ではない;憲法第0条問題―従来の護憲論にない視点;死者たちこそが憲法9条を支えてきた ほか)
第2章 長い戦後を考える(“失われた英雄”たちの行方―文化表象としての〈戦後〉像;〈声〉の覚醒について;刻まれた〈声〉の発掘 ほか)
第3章 平成天皇と令和の改元について(明仁天皇と「象徴」の霊性―二〇一六年八月八日の「ビデオメッセージ」が語りかけること;令和=論(A)あるいは仮死状態で生まれた元号―“安倍改元”による「天皇」の政治利用批判
令和=論(B)あるいは心肺蘇生した元号―“安倍改元”の自滅過程と中西進が果たした役割 ほか)
著者等紹介
添田馨[ソエダカオル]
詩人。批評家。1955年生まれ。詩集に『語族』(第七回小野十三郎賞)、評論集に『クリティカル=ライン』(第二十一回小野十三郎賞、詩評論書部門)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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