出版社内容情報
没後10年に画期的な読解
吉本隆明の初期詩作品『日時計篇』には、新しく発見されなければならない世界や思考を解く鍵がひそんでいる! だれも手をつけなかった未踏の「大陸」に、精緻な解読で挑む。
テキストの対比、変転の追究により発見の喜びをもたらし、新時代を拓く概念を提示する。
「日時計」を物理的な時間の計量物としてではなく、「関数」のサンプルとして理解し、さらにそこから生き物の身体そのものが「日時計」であり、「季節体」としてあるのだという、ごくごく当たり前のことに考察が及んだときには、身体が震えるような感動をおぼえたものである。(「あとがき」より)
内容説明
吉本思想をさらに進める。吉本隆明の初期詩作品『日時計篇』には、新しく発見されなければならない世界や思考を解く鍵がひそんでいる。だれも手をつけなかった未踏の「大陸」に、テキストの対比、変転の追究など精緻な解読で挑み、新時代を拓く「季節体」概念を提示する。
目次
第1章 「季節」への目覚め
第2章 『日時計篇(上)』の具体的な理解に向けて
第3章 『日時計篇(上)』の中核イメージへのもう一つの接近
第4章 『固有時との対話』の解読
附録 『日時計篇(上)』と『固有時との対話』との対比一覧
附論1『日時計篇』批評の経緯
附論2 「(海はかはらぬ色で)」小論
著者等紹介
村瀬学[ムラセマナブ]
1949年京都生まれ。同志社大学文学部卒業。現在、同志社女子大学名誉教授。主な著書に『初期心的現象の世界』『理解のおくれの本質』『子ども体験』(以上、大和書房)、『「いのち」論のはじまり』『「いのち」論のひろげ』(以上、洋泉社)、『なぜ大人になれないのか』(洋泉社・新書y)、『哲学の木』(平凡社)、『なぜ丘をうたう歌謡曲がたくさんつくられてきたのか』(春秋社)、『「あなた」の哲学』(講談社新書)、『自閉症』(ちくま新書)、『「食べる」思想』(洋泉社)、『宮崎駿の「深み」へ』『宮崎駿再考』(平凡社新書)、『次の時代のための吉本隆明の読み方』『徹底検証 古事記』『古事記の根源へ』『『君たちはどう生きるか』に異論あり!』『いじめの解決 教室に広場を』(言視舎)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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