内容説明
最新小説から、生々しい社会論、古典作品まで選書・書評の達人藤沢周による「特注の本棚」。
目次
小説は自由な生き物―開高健/トム・ジョーンズ/金子光晴
「これは自分が書いたのではないか」―西田幾多郎/北村透谷/井筒俊彦
書物の息遣いと佇まい―藤原新也/城戸朱理/司修
「悪」とはなにかを追いつめる―井口時男/山城むつみ/ジョルジュ・バタイユ
道を究める理論書―世阿弥/オイゲン・ヘリゲル/宮本武蔵
秋に悶える―堀辰雄/チェーホフ/松家仁之
お爺さんのかっこよさ―三浦しをん/西部邁/チャールズ・ブコウスキー
秋の至福は食、禅、京都―巨福山建長興國禅寺/有馬〓底/kotoba
深層意識の扉を開ける―〓樹のぶ子/辻原登/ローラン・ビネ
芥川賞作家 練達の文章―文藝春秋/小山田浩子/堀江敏幸〔ほか〕
著者等紹介
藤沢周[フジサワシュウ]
1959年、新潟県生まれ。法政大学文学部卒業。書評紙編集者を経て93年「ゾーンを左に曲がれ」で作家デビュー。98年「ブエノスアイレス午前零時」で第119回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
86
藤沢周さんが東京新聞に毎月1回3冊の本を選んで掲載されたものを2019年まで7年にわたりまとめておられます。3冊の本の選び方が面白くまったく関連がないと思いきやどこかでつながっている感じです。説明の仕方がうまく読みたくなる本が結構ありました。2021/05/14
山のトンネル
7
「3冊の本棚」というコンセプトが面白い。また、各書評の最後にキャッチコピー的に3冊の本紹介をしているのだが、キャッチコピーが魅力的過ぎて紹介本への興味が喚起されずにはいられない。例①『五輪書』…「ただ読んでも強くはなれず。」思わずクスッと笑ってしまったが、「たしかにっ」と唸る名キャッチコピーはさすが芥川賞作家の実力か。例②養老孟子『文系の壁』…「つまり理系の壁も見えてくる。」これも秀逸。例③川端康成『山の音』…「淫猥という崇高なる芸術塊。」何だこの本は読んでみたくなるじゃないかっ!と思わせてくれる。2020/12/09
いのふみ
3
書物を読むということは社会を考えることであり、社会を考えるためには書物を読まなくてはならない。しかし本を読むのも才能が要るのだと痛感する。2021/04/22
いのふみ
2
全冊、読みたい。と言っても過言ではない。これは評者の文が巧いからだろう。2021/04/25