出版社内容情報
平成天皇の象徴としての行為、それは神道でない。天皇家の信仰の真実を明らかにする。
内容説明
これまで天皇が、自らの信仰は仏教であると公言したことはない。しかし、明治に入るまで、天皇の信仰の中心にあったのは仏教にほかならない。古代から中世にかけて、代々の天皇は仏教に対する強い信仰を持っていた。代々の天皇の熱心な信仰がなかったとしたら、果たして日本の社会にこれだけ仏教は浸透したであろうか。天皇の仏教信仰は、個人的な次元にとどまらず、日本社会全体に多大な影響を与えたのである。天皇が象徴行為を模索した背景には、仏教を信仰して菩薩行に励んだ光明皇后と貞明皇后がいるのではないか。天皇と仏教との関係は深い。その関係がいかなるものか、本書において明らかになる。
目次
1 近代が大きく変えた天皇の信仰
2 なぜ天皇は仏教を選んだのか
3 仏教にのめりこむ代々の天皇
4 天皇と仏教界の深い結びつき
5 なぜ天皇は仏教の信仰を失ったのか
6 近代の天皇と宗教
7 象徴天皇の菩薩行
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年、東京生まれ。宗教学者、作家。東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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