内容説明
商品化される墓や葬儀、大震災と死、がん治療や新薬の登場まで、現代の死の様相を考えるとともに、いろは歌や高僧の言葉に耳を傾けながら、日本人の死生観の変遷を辿る。芥川賞作家の禅僧が語る、安心して死ぬための心構えと、さわやかに生き直す秘訣!
目次
第1章 商品化するお葬式
第2章 「死」は誰のも?
第3章 日本人の死生観の変遷
第4章 平安のターミナルケアに学ぶ
第5章 震災と死
第6章 安心して死ぬために
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年、福島県三春町生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。様々な仕事を経験した後、京都の天龍寺専門道場に入門。現在は臨済宗妙心寺派の福聚寺住職。デビュー作「水の舳先」が芥川賞候補となり、2001年、「中陰の花」で芥川賞を受賞。2014年、『光の山』(新潮社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさひーる
1
☆3 「直葬」など最近の葬儀の在り方に対する玄侑氏の批判は、古い習慣に囚われているように思えて共感できなかった。しかし、読み進むにつれ、死後のことはわからないが、自分の命を大きなものに任せ、滔々と生きていけばよいのだという玄侑氏の主張が表れてくると、不思議な安心感を覚えた。 とてもわかりやすく読みやすい文章であった。2019/02/14
ネロ
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死をおそれる人々への指南書のようなものなのかな? 僧侶の立場から見る臨終やお葬式なども興味深かった。 昔は戒名に死因を書いたけれど、今はがんが多いので死因は書かなくなったとか。今ある肉体への未練を断ち切り、魂だけになる、解ける、ほどける、仏になる・・・バンザイーイバンザーイヽ(´ー`)ノ(←とは書いてない。私の勝手な解釈です) とりあえず、吸った酸素はできるだけ吐き出そうと思った(^^;2017/06/09
老齢症状進行中
0
このところ玄侑さんにはまっています。タイトルが少しおっかないですが、いい本です。福島の被災者の方への暖かい思いが伝わってきます。70歳前の私もきっと病気になったらオロオロしてとても平静でいられないんだろうな。玄侑さんの他の著書にも触れて、心の鍛錬をしたいと思います。2023/04/15
まほ
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いろは歌をはじめ様々な古人の死生観について平易な言葉で解説されている第三章、福島県在住で多くの被災者と接してきた筆者の経験と考えが述べられている第四章が特に面白かったです。震災後数多く語られる心霊現象には、たしかに生きている私たちの潜在意識も関係するかもしれないと思いました。また、病院は病気と闘う場所だから、死は負けになってしまう、けれど死は自然現象であって決して負けではない、という内容も心に残りました。2018/09/18
彩美心
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あの世はあると信じて長生きにこだわらないことですね。読んでよかった。意識が変わりました。2018/05/12
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