サンガ新書
マインドフルネス最前線―瞑想する哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師を訪ねて探る、マインドフルネスとは何か?

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 291p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784865640229
  • NDC分類 498.34
  • Cコード C0211

内容説明

現代医療が仏教瞑想を取り入れた。心身医療の現場で、そして欧米のIT企業で導入される瞑想の技術「マインドフルネス」とは何か。人文から医療にまたがる4人の専門家に訊く、心と脳の科学の現在。

目次

第1章 ヴィパッサナー瞑想を哲学する―坐禅をへて初期仏教の瞑想を始めた哲学者の真意と思考実験 哲学者 永井均(ヴィパッサナー瞑想への関心;瞑想と「私とは何か?」 ほか)
第2章 マインドフルネスブームと仏教の方法―仏教の伝統が現代に与えたインパクト―マインドフルネスは仏教瞑想を盗んだのか? 初期仏教長老 アルボムッレ・スマナサーラ(精神医療の臨床現場とマインドフルネス;ジョン・カバット‐ジン博士は仏教を隠している? ほか)
第3章 マインドフルネスと脳科学の可能性―最先端の研究から生まれた瞑想の脳科学、そして人間の未来 宗教人類学者 永沢哲(テーラワーダの瞑想とチベット密教の瞑想の違い;ユングの神秘主義とフロイトの科学主義 ほか)
第4章 臨床におけるマインドフルネス―臨床医学の最前線で活用される瞑想の技術と日本の現状 心療内科医 熊野宏昭(心療内科と精神科;行動面にアプローチする心療内科 ほか)

著者等紹介

香山リカ[カヤマリカ]
1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。精神科医として病院での診察に携わるかたわら、豊富な臨床経験を活かし、幅広いジャンルで評論・執筆活動を展開している。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ももたろう

23
永井均さんがマインドフルネスをどう捉えどう実践しているか、に関心があって手に取った。前から思ってたけど、やっぱマインドフルネスに興味を抱く人は自分も含め、エゴが強いと思う。なぜなら「自分の苦しみをなんとかしたい」っていう「自分」に関心がある人達が集まるから。「社会を良くしよう」などの提案が仏教には少なくキリスト教とかに多い、というのはその意味で納得できる。しかし、それでも、マインドフルネスに生きて穏やかになることで、間接的に社会貢献する事はできる、というのも納得。永井さんが語ると面白いなあ。2016/10/19

文章で飯を食う

11
「〈仏教3.0〉を哲学する」を読んだので、永井均氏との対談部分を再読。前回、読み飛ばしていた部分の面白さが、全然、違う。「気づくのは誰か?」と言うところでは、ただ、いろいろな事を想起する場としてのみの自分=男女も無く、名前も無く、いわゆる自意識も無い自分。まるで、禅のエッセンスみたいな話になっていく。しかし、話の中にボンボンと哲学用語や思弁が入って来て、おいて行かれてしまう。きちんと、永井均の本を読んで見なくては。2017/02/02

文章で飯を食う

10
最近、テレビで「マインドフルネス」が良く取り上げられている。もともと瞑想や禅の手法を取り入れていると言うので、興味を持っていた。対談なので、専門用語には()カッコ書きで解説が入っていたりして、読みやすかった。読みやすいからわかりやすいかと言うとそこは違う。いわゆる「境地」みたいな、スポーツを言葉で語るような、もどかしさがある。とにかく実行してみることだな。2017/01/15

moshi

7
非常に面白かった!精神科医である香山リカ氏が「マインドフルネス」について、哲学者、仏教僧、宗教人類学者、医師と対談したという本。特に最後の心療内科医との話が興味深い。マインドフルネスの元となるヴィパッサナーでの脳の使い方をどのように認知行動療法に取り入れるのか、現代精神科・心療内科の実情など。お釈迦様は随分すごいものを発明したんだなと思うと同時に、やっぱり宗教臭がすると「うーん」となる(仏教僧は宗教ではないと言うけれども)。生きていくにあたって、ストレス対策として是非とも身につけていきたいスキルだと思った2018/03/11

Kumisuke92

7
マインドフルネスを辿る香山リカの対談集。永井均、スマナサーラとの対談が特に面白い。ついつい本質を追求してしまったり、勝手に意味を捏造してゆく原始脳の優位を越えて、ただ存在する実存、ありのままに物事を観察することにより、原始脳、つまりエゴを調教し、大脳優位による心の平安、静寂、調和を生み出す。これは人が生きるためのブッダの教えであり、ブッダと関係ないもののように見せ自分の能力を最大限生かすための技術としてブームになっているマインドフルネスへの、スマナサーラ師の批判的な態度は、私も共感する。2016/09/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9889165
  • ご注意事項