出版社内容情報
GIGAスクール構想から3年が経ち、多くの学校で1人1台端末環境が実現していることと思います。各種メディアでは、そうした1人1台端末環境を有効に活用した先進的な取り組みを進める自治体や学校の様子が紹介され、学校教育のデジタル化は着実に進歩していると言えます。しかし一方で、「端末はあるけれどもうまく使えていない」「あんな先進的なことはできない」といった学校もまだまだ多く、せっかく整備されたGIGA環境を持て余してしまっているというのがリアルな現状ではないでしょうか。
しかし、時代は急速な変化を続け、年々そのスピードは加速しています。デジタルはあって当たり前のもの。もちろん、プライバシー保護、セキュリティ問題などの不安要素はあるものの、デジタル化が遅れがちだったわが国の行政機関においてもデジタル化は急速に進み、今日では「なくてはならないもの」としての地位を確立しつつあります。
さらに、2022年にOpenAI社よりリリースされた「ChatGPT」をはじめとした生成AIの登場とその進化は大きな衝撃を与え、これまでホワイトカラーが担っていた仕事がAIによって近々代替されてしまう可能性が現実味を帯びています。こうした、デジタルによる社会変革、すなわちDX(デジタル・トランスフォーメーション)が多くの分野で推進されていることはみなさんもご存知のことと思います。
こうした社会情勢を踏まえると、学びの手段としてデジタルを用いるだけの「GIGAにとどまる学校」から、ネクストGIGAの新たな学びを求めて「学校DXに進化する学校」へと変革していく必要があるのではないでしょうか。そのためにも、学校のリーダーである管理職が中心となり、いまいる現在地を把握し、一歩踏み出す必要があります。本書は、そのための道標として、なぜいまDXが求められるのか、GIGAからDXへ進化するためにはどうしたらいいのか、新たな学びの姿とはどのようなものなのかを提示します。
1. これからの社会は、教育は、どう変わっていくのか
?これからの社会と学校DX
?学校DXで学校はどう変わるのか
2.学校DXを実現する基盤をつくる
?学習系・校務系を横断する学習eポータル
?教育データの利活用
?児童・生徒に求められる情報活用能力
?メディア・リテラシーとデジタル・シティズンシップ
3.学びのDX、校務のDX
?学びのDX(小・中・高等学校の事例/AIを活用する事例)
?校務のDX(校務をデジタル化するとこう変わる!/各地の事例)
4.学校DXに進化するために、いまできること
?学校全体のDXのため、どう一歩踏み出すか
?それぞれの教員をDXへ導くため、どうアセスメントするか
5.学校とデジタルとAI
内容説明
まず使う、とにかく使う。進化をはばむ「不安」と「不慣れ」。GIGAの先、学校DXをめざして、新時代の学びのスタンダードをネクストGIGAでつくる。
目次
1章 これから社会は、教育は、どう変わっていくのか(これからの社会と学校DX;学校DXで学校はどう変わるのか)
2章 学校DXを実現する基盤をつくる(学習系・校務系を横断する学習eポータル;教育データ活用の未来)
3章 学びのDX、校務のDX(学びDX編;校務DX編)
4章 学校DXに進化するために、いまできること(学校全体のDXのため、どう一歩踏み出すか;それぞれの教員をDXへ導くため、どうアセスメントするか)
5章 鼎談 学校とデジタルとAI(平井聡一郎×讃井康智×田中善将)
著者等紹介
平井聡一郎[ヒライソウイチロウ]
合同会社未来教育デザイン代表社員/文部科学省学校DX戦略アドバイザー。茨城県の公立小・中学校教諭、管理職、県内町村、県教育委員会で指導主事・指導課長を経て現職。文部科学省中央教育審議会臨時委員、株式会社情報通信総合研究所特別研究員、茨城大学非常勤講師などのほか青森県教育改革有識者会議委員、福井県学校DX推進アドバイザー、南牧村教育CIOなど、複数の自治体、私学、教育関係企業でICTアドバイザーを務める。現在はネクストGIGA時代における学習指導要領の目指す教育を目指して、全国各地でICT機器の活用を質的に進化させる学校DXに取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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