感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
132
ウルトラシリーズの初代ヒロインとして、科特隊のフジ・アキコ隊員は歴史に名を刻んだ。その後も紅一点が配置される原点となり、戦隊シリーズまで勇敢に怪獣と戦う女性軍人という存在が引き継がれたのだから。しかし『ウルトラQ』から続けて演じた桜井浩子さんには、大人の事情に振り回されたり過密スケジュールに追い立てられるキツイ仕事だったようだ。『ウルトラマン』は円谷一や実相寺昭雄ばかり話題となる(実際面白い)が、知られざる現場での苦労を伝える証言は特撮ファンにとって宝物であり、桜井さんの大きな目と共に忘れ難い印象を残す。2024/10/27
keroppi
66
「ウルトラQ」と「ウルトラマン」の全話について、ヒロイン桜井浩子が語る。桜井浩子は全話に出演しているわけではないが、出演していない回も当時の出演者や監督のエピソードを含めて語っている。それは、とても貴重な内容だった。当時の熱い空気が伝わってくる。これをまとめたのは青山通。『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』の著者だ。コラムとして、「Q」「マン」の音楽に触れているのも楽しい。こういうの読むと、また「Q」「マン」を見返したくなってくる。2024/09/05
kei-zu
19
由利ちゃん・アキコ隊員派、アンヌ隊員派があるとすれば、私は前者です。本書は、今は円谷プロでコーディネーターを務める著者が出演の想い出を語る。あとがきによれば、BSでウルトラQが放送された時の著者のTwitterでの呟きが企画の端緒とのこと。未踏の番組作製の過程における関係者の意気込みにワクワクする。掲載される写真は少ないが、作品の舞台裏の和やかさが伝わる。2024/11/24
qoop
8
二作品にレギュラー出演した桜井浩子氏の回想を青山通氏がまとめ、桜井氏によるリライトを経て完成した本書。昭和の遺産的作品関係者への聞き書きの中で、ウルトラシリーズは供給側の人材が次々に現れる印象(需要も絶えないし)。とはいえ半世紀前の記憶を精度を保って覚えているものだろうか。半ば錯誤や矛盾を前提に楽しむものという気もしているが、本書は二者の手になるだけあって整理されていると感じた。撮影現場でのキャスト同士のやり取りなど初めて聞く話も多く、まだまだ発見があるんだな……と興味深く読んだ。2024/06/24
おやぶたんぐ
5
「Q」「マン」のヒロインが語るエピソードを放映順に構成した一冊。「「ウルトラQ」の誕生」(ttps://bookmeter.com/reviews/71319186)、「「ウルトラマン」の飛翔」」(ttps://bookmeter.com/reviews/71435089)と併せて読むと更に興味深いかも。2024/07/01
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