内容説明
生前に刊行された4冊の作品集『日々』『SELF AND OTHERS』『扉をあけると』『見慣れた街の中で』所収の全点と、生前に発表、もしくはまとめられた2つの連作“水の記憶”“幼年の「時間」”全点を収録。
目次
日々 Days
SELF AND OTHERS
扉をあけると SPIRITUAL TRAVELS
見慣れた街の中で FAMILIAR STREET SCENES
水の記憶 Memories of Water
幼年の「時間」 Childhood
論考と資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
79
牛腸茂雄の写真と絵画の作品集を全て収めた全集だ。日常風景を撮影し、何処か懐かしさも感じる写真が多い。それでいて、カメラマンの目線も、被写体である人物の目線も、彼の背負っていた身体のハンディキャップを抜きには語れないのだろう。何気ない仕草なのに、とてもかけがえのないものに見えてきて、いつまでも眺めていたくなる。ここに、どんなドラマがあるのだろうと思ってしまう。彼の絵画作品もあるが、絵画といっても偶然性がもたらした美の表現であり、それは、一瞬を写しとる写真と共通する彼の視線を感じた。2023/03/15