内容説明
本書は日本が太平洋戦争を始める以前の、明治・大正・昭和期前半に起きた戦慄すべき35の事件を取り上げた1冊だ。閉鎖的な村社会で孤立し住民の殺戮を図った者、惚れた芸妓の裏切りに狂気を爆発させた者、エリートによる金と女絡みの犯行、拷問に近い取り調べで犯人に仕立て上げられた冤罪事件、身勝手な復讐劇―。根底に時代の空気が色濃く反映する凶悪犯罪の顛末。閲覧にはご注意を。
目次
第1章 大量殺戮(河内十人斬り―金銭トラブルのあった家族、浮気した内縁の妻らを一晩で惨殺;堀江六人斬り―嫉妬に狂った貸座敷の店主が身内を日本刀で斬殺 ほか)
第2章 冷酷無比(青ゲットの殺人事件―吹雪の夜に一家3人が惨殺された未解決ミステリー;岡山・少女串刺し殺人事件―好意を寄せていた女性の局部に竹を突き刺した18歳のストーカー ほか)
第3章 震撼(少年臀部削ぎ取り殺害事件―ハンセン病の治療に人肉が効くと信じた元外大生の猟奇的犯行;愛知貰い子殺人事件―金目当てで引き取った訳ありの赤ん坊300人以上を亡き者に ほか)
第4章 痴情の果てに(鈴ヶ森おはる殺し事件―愛人男性が逮捕されるも、後に前科6犯の真犯人が判明し死刑に;鬼熊事件―村人から愛された「熊さん」が起こした恋の復讐劇 ほか)
第5章 驚愕(宮城県「仮の一夜」事件―花嫁が義理の父親と性行為に及ぶ奇習の最中に2人とも怪死;新潟一家四人死刑事件―父親殺しで家族4人に死刑判決、控訴審で長男の単独犯とされるも冤罪の疑い濃厚 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
62
戦前日本で起きた猟奇事件を紹介した一冊。紹介されている事件数は多いものの津山事件や阿部定、青ゲット等、犯罪史に興味があるなら一度は聞いた事のある事件ばかりで特に目新しさを感じる部分は無し。数が多い分、一つ一つの事件に関する掘り下げも薄くならざるを得ないし。他の類書との違いはダイレクトに事件現場の写真が載っている部分か。特に津山事件と阿部定。研究書の多い津山事件も流石に被害者の写真は隠されていたしなあ。これを報道と取るか悪趣味と取るかは人それぞれだけど。現在も過去も世に犯罪の種は尽きまじ、であるなあ。2024/11/26