内容説明
以前は誰でも読むことができた。しかし人権団体による抗議や出版社の自主規制などにより、単行本化されない、または一部のエピソードが単行本に未収録となった結果、現在は誰も読むことができない。そんな封印された漫画が数多く存在する…。いや、存在しなかったこととされている。それらいわく付きの漫画は、果たして何を問題視されたのだろうか。全91作品から知る漫画の裏面史。
目次
第1章 1960~1969(血だるま剣法;オバケのQ太郎 ほか)
第2章 1970~1979(銭ゲバ;アポロの歌 ほか)
第3章 1980~1989(キャスター;怠屈な日 ほか)
第4章 1990~1999(代紋TAKE2;MMRマガジンミステリー調査班 ほか)
第5章 2000~2009(エデンの花;漫歌エロチカ派 ほか)
著者等紹介
坂茂樹[サカシゲキ]
1969年、石川県生まれ。編集者・ライター。新聞社、出版社を経て、2007年に勤務していた出版社が偽IT企業に買収された挙げ句に倒産。そのため2008年よりフリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
23
読んだことのある漫画が、今では発売禁止になってる衝撃、、と、思いきや発売禁止の理由が小さい気が。こんなので駄目になっちゃうのか、、ってのが多くて、大丈夫なのかと。2020/01/20
爺
9
ぱらぱら暇潰しのつもりで読み始めたら、全部読んでしまった。「猥褻」の定義がないままに猥褻判決を受ける不条理は是正しなければと思ったが、そもそもなぜ性器や性行為を描くことがいけないのか。R-18、R-16規制をもっと公明正大に万人にわかるようにルール作りをすればいいのだと感じる。そもそも成人していたらいくらでも実物見る機会はあるだろうし、隠していることに違和感しかない。それ以外の「大人の事情」に関しての事例も色々。面白かった。2020/03/04
bluemint
6
タブーが多いのにはびっくりするが、病気や職業、出自を揶揄するのは表現者としては宜しくない。気づかずについ、というのは我々にもある。相手の立場を自分と置き換えれば分かりそうなものだ。それができなくなってきている。「ちはやふる」の作者がトレース問題を起こしていたなんて知らなかった。2020/09/06
Hiroki Nishizumi
3
これほど多くのタブーがあったとは驚き。時代の変遷が激しいということか。ハレンチ学園とか銭ゲバとか想像通りだったが、オバケのQ太郎、パーマンあたりはちょっと驚いた。版権絡みの分野は仕方ないか。2020/06/10
Ahmad Todoroki
1
新書になる前のハードカバーで読了。真っ黒なカバーデザインが素晴らしく、内容もまた面白かった。いわゆる発禁や回収措置が取られた漫画を年代ごとに網羅した内容。発禁の理由がもっともだったり、かなりトホホだったり、単純な「表現の自由」についての本ではないのがミソ。2024/12/13