内容説明
全15歌集で読み解く河野裕子の短歌。
目次
初期歌集(『森のやうに獣のやうに』;『ひるがほ』;『桜森』)
中期歌集(『はやりを』;『紅』;『歳月』;『体力』;『家』;『歩く』;『日付のある歌』;『季の栞』)
後期歌集(『母系』;『葦舟』;『蝉声』;終わりに)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
11
河野さんの全歌集を辿った初の書物。このような書に接すると、短詩型文学とはよい読者を得て初めて命を吹き込まれるものであることが実感される。「実作者として、ひとつ言っておきたいのは、歌の微妙な良さは、そう簡単に誰にでもすぐわかるものではないということである。実作を続けていなければ、表現の前線に常に居なければつかめない、短歌のことばの息づかいというものがある。歌を自分で作っていない人は、歌を、意味とか、意匠の珍しさとか、ことば面の斬新さといった目に見えやすいところで評価しがちだということ。」河野さんの時評より。2024/03/09
浦和みかん
1
河野裕子は多作であったが、同時に駄歌も多かったんだなあと読んでいて感じた。その駄歌が作者の幅として大事なことも。2017/03/19