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出版社内容情報
大陸東部の穏やかな街、リアフィアット市。
そんな街の片隅に、店員二名の小さな宝石店があった。
――『スプートニク宝石店(ジュエリー・スプートニク)』。
その日「宝石を吐き出す」少女クリューと、宝石店店主スプートニクのもとを
訪れたのは、ユキからの使いだった。
使いから受け取った、封筒の中身には
魔法使い・ファンションにまつわる「一つの仮説」が記されていた。
一方、病床の魔法使いソアランは、部下イラージャに、
かつての婚約者・ファンションの姿を語っていた。
クリューとスプートニクにより二人のもとへ届けられた「仮説」に、
ソアランが願うことは、イラージャが決意することは。
そしてクリューが、そんな魔法使いたちの姿に、思うこととは…。
宝石に愛された少女の、甘くて淡い、ファンタジーノベル。
覚悟と決意の第五幕、開演。
★警察官ナツの休日と、スプートニク宝石店の思い出を描いた短編「つなぐ」収録。
?2016 なみあと/ポニーキャニオン
なみあと[ナミアト]
景[ケイ]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
52
女警部ナツの休日&ナツがクリューとスプートニクに初めて出会った頃の思い出、ソアランと今は亡き許嫁であるフランソワズとの出会いの過去篇と彼女の死の秘密に関する一幕、クリューのお悩み相談室等、色鮮やかな宝石と甘くほろ苦い恋に彩られた物語の第5巻。様々なものに怯えるクリューに優しく接し、彼女が拙いながらも懸命に宝石の説明をする姿に笑みを浮かべながら、彼女の初めてのお客さんになったナツが最高で、宝石を吐き出す特異な体質故に悪人に利用され続けて人への恐怖感に震えていたクリューが1巻の頃から彼女に懐いていた事に得心。2018/06/10
まりも
34
宝石に愛された少女と、宝石商の青年の物語第五弾。犬猿の仲なスプートニクとナツの出会いや、ユキの使いがスプートニクたちの元を訪れる話。相変わらずクリューが可愛い。ナツ視点で過去のエピソードが語られたり、意外な人物がスプートニクたちの元を訪れたりと色々ありましたが、物語も大きく動き出した事で、これまでとは違った面白さと期待感を感じさせる内容になっていました。今回のが一つのターニングポイントとなる事は間違いなさそうですね。クリューが胸に抱いた事が、今後の展開にどのような影響を与えるのか。次巻も楽しみです。2016/10/15
よっち
33
クリューとスプートニクのもとを訪れたユキからの使い。病床の魔法使い・ソアランたちの元に二人から「仮説」が届けられる第五弾。ナツの視点で語られるスプートニクとクリューが街に来た当初の話や、あのユキをげんなりさせたラッシュの言動とか興味深いエピソードもありましたけど、何より大きな転機に繋がりそうなひとつの仮説の提示によって、動き出した物語の方向性が定まってゆきそうな予感がありましたね。そして今回の過程でクリューが自覚したひとつの可能性は物語の結末にも大きく影響する部分で、その行く末もとても気になるところです。2016/10/14
めりた@かりた
15
前半はナツ目線でリアフィアットの安全を守ってる様子が書かれていましたが、なんとも平和な街だなぁ。わらしべ長者システムでしたね(笑)そしてソアランとファンションの出会いと、色々なエピソードが満載でソアラン押しの私としては、とってもとっても嬉しかったです。使い魔のシャルがボタン付けとか、ものスッゴクおりこうさんじゃないですかΨ( ̄∇ ̄)Ψ2016/11/07
真白優樹
11
ユキからの使いが二人の元を訪ねる中、一つの仮説が齎される今巻。―――記される過去の物語、そして仮説は物語を加速させる鍵となる。魔法使いとは何か、魔法使い達が選ぶものとは何か。その選択肢へと至らせる鍵は今差し込まれ、物語はいよいよ更に音を立てて動き始める。投じられた石が齎す波紋は決して止まらず広がり続け、物語の分岐点は既に通り過ぎた。彼と彼女が進む先に何が待つのか。気づいた一つの可能性、仮説が示す可能性は物語の終末に向けてどんな因子となるのか。その先に待つものとは何なのだろうか。 次巻も楽しみである。2016/10/18