出版社内容情報
言葉が生き物みたいだ。意志を持って出会い、寄り添い、新しい情感が生まれる。言葉が楽しいと、この世も捨てたもんじゃないんだね。ーー東直子
『オーロラのお針子』で注目の著者による、11年ぶりの第二歌集。
〈収録短歌より〉
書きかけのノートをめくる風があるあさって水族館に行こうよ
うっとりとフルーツサンドの金縁のお皿の底をひっくり返す
女の子たちの群れから本体を取り出すように絵筆を濡らす
家系図の今どのあたり植物で分類するとマメ科だろうか
あくる朝十八になる玄関の金魚はふっと縦に立ちたり
またミラーボールのなかで眠るから雪が降ってもおこさないでね
ポワレ、と口にするとき真冬日に隠れる魚が尾をひるがえす
好きなひと、だった、好きな、ひとである、最後に糸が切れるまで見る
魂は2等分にならないか君が滅びるまでのおしゃべり
さよならの代わりにどんどん投げている海老の花揚げこれからだから
内容説明
少女にしか見えない景色が歌になり、永遠の命を持つ―『オーロラのお針子』で注目の著者、待望の第二歌集。
目次
1(月光が鳴る;メゾン花;一円きれい;ガールフレンド;白湯)
2(みえない;君の遺跡;夜の李;天窓;永遠に鰐)
3(テリーヌの夢;銀泥のフリル;Fiction;シーサイドテラス;そういえばオレオ;皇居ラン)
著者等紹介
藤本玲未[フジモトレイミ]
1989年生まれ、東京都出身。「かばん」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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