内容説明
夢のなかで言葉は糸のように紡がれ、つらなり、無数の物語として手渡される―。気鋭の詩人による最新詩集。
目次
１（Ｉｎｎｏｃｅｎｔ／水蚕ノ伝；消える花札；キラー・カール・クラップ；百式）
２（パレード；母のうしろ姿；（ｇｒｅｅｎ）ｄａｐｈｎｅ
黒式）
３（草達磨と残雪；Ｔｙｐｅ‐β；火星の植物；月の廃園）
４（ｕｎｄｅｒ ｔｈｅ ｓ（ｅ）ｗｉｎｇ ｍａｃｈｉｎｅ
ａｌｍｏｎｄ ｐａｒａｉｓｏ
ｓｌｅｅｐ ｔａｌｉｋｉｎｇ）
感想・レビュー
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睡眠時の夢、あるいは、人間以外の物が見る夢に近づこうとしたパワーを感じる。字の配置などから視覚情報として夢に近い体験ができる。音にもこだわりがあるとは思うが、難しい単語も多く、すんなりとは頭に入ってこない。そこを含めて夢の再現ともいえる。タイトルのクロスは布で、挿絵には水を吐く蚕。何も残らない、消えてしまう夢の言語体験をこの生物に託した点が印象深い。面白い、面白くないではなく、ひたすらに夢体験の言語化に努めているように感じた。2025/12/13
