感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko
67
読み友様からのご紹介本です📚ひとりみが多いのは何も今ばかりではなく、平民の殆ど、半数は結婚していなかった、いや。出来なかった。地位や権力、お金のある男性に女性を取られてしまう。何人も側室を持てた時代の地位ある男性は天国だったかも?卑弥呼などは独神と言われ、その方が神秘性が増すという。時代が下るに従って女性の地位の低下は甚だしく、結婚してもそれほど幸せとは言えない。するしないが個人の自由になりつつある現代の方が幸せだと思う。源氏物語を例に取っているので正に光る君が好きな方にもピッタリです😊2024/07/27
えみ
60
胸に巣食っていた原因不明のもやもやの正体が過去の「おひとりさま」の置かれた状況から見えてきた。現代に繋がる歴史の中の「ひとりみ」の存在。自分の意思で、他人の干渉から、環境の為に…様々な理由から生涯ひとりみで過ごした人々が周囲からどう見られていたか。そして本人はどんな生き方をしてどんな思いで暮らしていたのか。何百年経っても人の本質は変わらず、ひとりみに向けた周囲の目も大して変わらず。たびたび「いいじゃん、独身なんだから」と言われる身としては興味深い内容だった。心豊かにおひとりさまを楽しむ源典侍を目指したい。2024/06/06
やいっち
57
14日夜半、読了。仕事の車中の待機中に楽しんできた。同氏の本は三冊目か。「卑弥呼から古事記の神々、僧尼、源氏物語の登場人物、大奥の女性権力者など、古代から幕末まで、多様なひとりみたちの「生」と「性」を追う」というもので、日本ではあまりに遅れている女性の活躍の機会を考える上でも時代の関心に沿う内容か。 2024/08/14
ぶぶ ひこ
44
古典エッセイストの著者が、前近代の「ひとりみ(単独)」を紹介。ひとりみは社会の多数派だった、結婚は特権階級にのみ許されシングルの母、父は多数、しかしそれを自ら選んだ人は少なく、結婚「できる」特権階級でも相手を自分で選べぬ場合も多かったなど。『竹取物語』『源氏物語』『徒然草』の三大古典が結婚拒否の思想に貫かれていたとの指摘も興味深い。翻って今の日本は? 結婚や家族のあり方について多くの示唆を与えてくれる。2024/10/10
いちろく
24
タイトルの通り「独身」をテーマに日本の歴史をみている一冊。日本だけでなく他国でも少子化が騒がれている昨今、改めて過去の日本ではどうだったのだろう? という点で興味を惹かれ手にした本でした。想像以上にシッカリとした内容でありつつも、著者の主張も多く、読書感覚では覚えられないことも多々。そうだったのね、という過去の事実のみを知りたい私には初読のみで。あと、独身の私には作中でここまで何度も繰り返される「ひとりみ」という単語には、いろいろ思う部分はあったよ、正直。2024/07/01