内容説明
海神ネプトゥーヌスに襲われ、襲われた罰を受けて人を石にする髪をまとうメドゥーサ、ユピテルに狙われたことが引き金となっておおぐま座にされたカリスト、愛する夫の死を悲しんで海に身を投げ、カワセミになったアルキュオネ、いなくなってしまった友達を捜すために翼を得て歌い、その歌に男たちが引き寄せられるようになってしまったセイレーンたち…。オイディウスによるラテン語文学の最高峰『変身物語』からこぼれ落ちた女性たちの声をすくいあげ、燃える怒りと深い悲しみ、そして生き延びるための願いをこめて語り直す、注目の短篇集。
著者等紹介
マグロクリン,ニナ[マグロクリン,ニナ] [MacLaughlin,Nina]
アメリカの作家。「ボストン・フェニックス」紙で編集者として働いたのち、「ボストン・グローブ」のコラムニストとして活躍。他にも、「パリスレビュー」「ウォール・ストリート・ジャーナル」「ブックスラット」「コスモポリタン」などで執筆している。2015年、大工修業の経験を書いた『彼女が大工になった理由』(エクスナレッジ)が高い評価を得て、ウェブメディアRefinery29の「知っておくべき21人の新人作家」に選出された。『覚醒せよ、セイレーン』が初のフィクション作品である
小澤身和子[オザワミワコ]
東京大学大学院人文社会系研究科修士号取得、博士課程満期修了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士号取得。「クーリエ・ジャポン」の編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。