内容説明
第8回石田波郷新人賞受賞の著者、待望の第一句集。
目次
着ぶくれ
手にミモザ
あやふやに
月の廊下
いつか行く
著者等紹介
斉藤志歩[サイトウシホ]
1992年生。2015年より東大俳句会に参加。2016年、第八回石田波郷新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん子(^_-)
9
俳句は短歌以上に、わからなさがつきまとう。その句が好きかそうでもないか、でしかない、もしくは自分の気持に当てはまるか、かな。好きな句は、「セーターにあやしき柄のありにけり」「包まるるティッシュに透けて金魚の死」「駅のホームで桃をジュースにしてもらう」「好きらしく栗飯の栗先に食ふ」「目がふたつマスクの上にありにけり」(この句は季語は冬?)2024/07/24
Cell 44
3
かなり良かった。おすすめです。2023/07/10
空の落下地点。
2
水とみづを、見ずと掛けているのかなぁ。家庭と酒場という場所の対比。東風と黒板消しのハイタッチ、手が風受くなど、俳句でお馴染みの風の物体化。背を打てば音、これは老いて背骨がむき出しになっているのを想わせる。~だよ、という呼びかけは現代俳句ならでは。雪中→玄関と視界が狭まることのさみしさ。春休み、働く郵便屋さんという静と動の対比。自由な風船が犬という従属の象徴に変身、大人になる虚しさを表現か。歩く、という行為に伴う鼓動がこの句集の最初から終わりまでずっとある。作者の鼓動が伝染するライヴ感のある俳句集でした。2024/02/21