ハンズ―手の精神史

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ハンズ―手の精神史

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  • サイズ 46判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784865282955
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0011

内容説明

“ヒトラーや毛沢東の繊細な手仕事”“手から離れていったフロイト、手へと回帰したラカン”“私たちの手を支配するiPhone”“ゾンビが手を前に突き出して歩いているのはなぜか”“手と自律依存症との関係”―人間の歴史=手の歴史。

目次

1 分裂する手―自律と自由のパラドックス
2 自律する手―手と口の病的な関係
3 掴む手、放す手―愛着と喪失
4 社会化される手―手を暇にさせておくことの危険性
5 鎮める手―感覚を取り除くための刺激
6 暴れる手―暴力行為の効能
7 言葉と手―手を使わせるテクノロジーの今昔

著者等紹介

リーダー,ダリアン[リーダー,ダリアン] [Leader,Darian]
ロンドン在住の精神分析家、コラムニスト。ローハンプトン大学名誉客員教授。ケンブリッジ大学にて哲学を学んだ後、パリにて科学史を学ぶ傍ら、精神分析家としての研鑽を積む。Centre for Freudian Analysis and Researchの発起人であり、主要メンバー

松本卓也[マツモトタクヤ]
1983年高知県生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授

牧瀬英幹[マキセヒデモト]
2010年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は、精神分析、精神病理学、描画療法。現在、中部大学生命健康科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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蘭奢待

28
図書館本。テーマに興味を惹かれ読んでみた。精神史と副題があるが、ちょっと期待に反したかな。あまり満たされなかった。2021/03/06

おっとー

5
手にまつわるエトセトラ。独裁者の繊細な手仕事、スマホを触ること、成長の過程で口から手へと比重が移ること。普段何気なく使用している手・触覚についてのもろもろをエッセイ形式で気ままに綴っていく。精神分析を専門としているせいか、少し強引な結び付け(iPhoneの「i」の意味やアラジンがランプを擦ることの意味など)が見られるのと、個々のエピソードについてもう少し考察を深めてほしいなーというのとが残念なところ。しかし、五感の中でも一番中動的である手の不思議さを考えるには、面白いヒントがたくさん詰まっている。2022/07/30

たろーたん

3
「手は他者から触れられ、支配される受動的な器官でありながら、その同じ手が他者の支配から自らを引き離し、自由を可能にする能動的な器官でもある」という逆説。一方では「手遊び」の禁止など手をめぐる様々な儀礼が強要され、手はとりわけ私たちの身体が他者によって支配される際の焦点となる場所である。しかし、私たちはその支配の隙間を縫うように、自傷や自慰など自分の身体を触ったり引っ掻いたりする。こういう点から手について考えるのは面白いと思った。2022/06/12

yo_c1973111

1
モノとしてスマートフォン、食べ物、タバコ、ハンカチ、手袋(!)などが時代の象徴や生活中のアイテムとして挙がられ、それらは手をもちいて扱われるから、手の行為は人間の重要な何かを示すと(??)。健常者において手を使わない生活はありえず、人の営みとしての歴史は当然手が介在している。つまり本書の殆ど(第2章除く)には、何も書かれていないと同義だ。また著者の言う「人間」とはキリスト教徒の西洋人のみを指し、その他は人間の範疇にはらないと思われる。2200円(+税)によって得られたものは紙とそこに刷られたインクだ。2021/04/11

ルンブマ

1
「手は他者から触れられ、支配される受動的な器官でありながら、その同じ手が他者の支配から自らを引き離し、自由を可能にする能動的な器官でもある。」なるほど、ラカン派で語られてきたデリダの「蚕」を参照した創造論の具体例として「手」を持ってきたのか。2020/11/10

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